双子の妹がいるのがどんな感じかって? 双子って言っても真依とはあんまり似てないからなあ。ははっ、褒めても何も出ねえぞ。あいつはなあ……なんだろうな、改めて言葉にしようとすると難しいな。双子だからって何でも以心伝心ってわけじゃないし。ていうか性格も反対だしな。
 真依は……私のことが嫌いなんだろうな。ああ、そういう意味じゃなくて。あの家じゃ真依は最下層の人間で、私は人間ですらなかった。だからすぱっと見切りがつけられた。見えないものはないのと同じ。見えないんだからしょうがないだろ?
 真依も一緒に来ればよかったんだ。一人二人消えたって気にも止められやしねえよ。私がわざわざ東京校に入学したのだって嫌がらせみたいなもんだけど、屁にも思ってねえよ、あの当主。ていうか私も家系枠なの、普通に笑えるな! 私、眼鏡ないと呪霊見えねえのに! それでも禪院なんだぜ! ……笑えない? 笑うとこだぞ、私が笑ってるんだからな。
 昔からそうだった。真依の手を引いてやるのは私だった。でも真依は、もう私に手を引かれたくないんだろうな。
 寂しいかって? いや――そうでもねえな。あんまりいいお姉ちゃんじゃなかったんだろうな。
 そうだな、あの家は嫌いだけど、真依はやっぱり妹だよ。だから私が当主になってやるんだ。面白いだろ? 呪霊も見えない奴が呪術師になって、あげくに禪院家の当主だぜ? そしたら、真依ももしかしたら――なんてな。

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