甚爾が子どもに「恵」だなんて女児の名前をつけたのは、無意識に後継になりうる男児を忌避したからじゃないかと思ってる
たぶん妻(恵の母親)が生きていた時にはそれなりに子どもに興味もあったけど、彼女が死んでから育児放棄まっしぐらで、わずかなりとも持っていたはずの恵への愛情は消滅ってとこかな
甚爾は恵を「愛した女の血を分けた子」とは見れなくて、忌むべき禪院の血筋しか見えなくなっちゃったんじゃないか
出産時死亡の場合、そもそも恵が妻を殺したと認定していてもおかしくはないな…

呪術師になるのをやめて普通の社会へ逃げ出した七海は背伸びして物分かりのいい振りをして大人ぶっていたけど、わずかな自己満足のために身を危険に晒してまで働くことの愚かしさを認めて地獄へ戻ってきたところで、七海は本当に大人になったんだよ

無下限術式の完成で肉体的に傷を負うことのなくなった五条に唯一傷を負わせ、永遠に消えない傷跡を刻んだ夏油、傷じゃなくてもう傷跡なの

五条を見ているととある魔術の禁書目録の一方通行を思い出すんだよね 繰り返される「最強」と敵意あるものは指一本触れることもできない能力

五条の青春の話をそのうち追記するんだけど、五条の方が世界が狭いんだよね おそらく義務教育も受けてなさそうな五条にとっての青春は夏油と硝子(と七海たち一握りの先輩後輩)で、実は閉じているのは五条の方
人の振りをしているうちに人になってしまった

「意味ね、それって必要?」って話もそのうち書くと思うけど、ともすれば人知を超えた力で暴走しがちな呪術師を人の領域に留めるための枷なんだと思う 深淵を覗く呪術師が深遠に飲み込まれないための命綱、呪いという怪物に身を落とさないための

呪術廻戦の作者とは非常に気が合う、という話を友人としていたんですけど、思春期にBLEACHを浴びて地獄を主食にする仲間だと思うんですよ

呪術廻戦は、作者の好きだったジャンプ作品の好きだったところだけを抽出して、好きじゃなかったところをそぎ落として作っていると思うんだよね

職業病でつい友人の同人誌の進捗管理しそうになったんだけど、印刷所の紹介ついでに見てたら早割枠が入校日直前なのに余っててびっくりした

ナナミンと伊地知は老け顔すぎるんだけど作者の趣味なんです?

五条がナナミンを呼び止めるためにいろんな手段を取って無視された末が北海道出張への同行だったらどうしよう 五条お前はコミュニケーションの練習を小学生からやり直せ
たぶん小学校行ってないからな五条…

やはり勘違いされていたんだけど(便宜上の)推しは五条じゃなくて伏黒だし次点でナナミンだし、五条は三位以下です
便宜上の推しなのは、わたしがハマれる作品というのはメインキャラ全員に愛着を持てることが条件に含まれているからです 言うなれば全員推しだし全員推しではない、誰が死んでも別に平気

配役の説明はナルトにぴったり当てはまるけど恵ちゃんはサスケとはだいぶ性格が違ってこっちは素直に好きになれる サスケの肥大した自意識、自尊心を見るのは結構きつかった

五条(89年生まれ)は作者の兄を参考にしてるんじゃないかと思っていたら、作者が92年生まれらしくてなんかもうそうとしか思えなくなってきた

みんな下の名前で呼ぶし二年生には自分のことも下の名前で呼ばせてる五条は、七海と伊地知のことは名字で呼ぶのね

真人と順平の話を書くために読み返してようやく理解してきた
真人は肉体より魂が先だと言うんだけど、呪霊は肉体を持たないんだもの、そういう結論にもなるよ、人間は肉体を生かすために生きるから肉体が先、そこが人間と呪霊の違い
生命体としてのホモサピエンスは肉体を生かすために心を後付けしたから機械的なんだよ

書き忘れたことに気づいた
九十九が夏油に選ばせたところも時代だと思う。「本当の自分」「自分探し」みたいなのがあの頃(少し遅かったかもしれないけど)流行っていて、でも結局本当の自分なんてものはなくて、人は複数のペルソナで構成されている。今ならきっと、どちらの自分も肯定できたんだよ

何があっても一人で立てる奴に救いなど必要ないんだよ

呪術廻戦の小説が本編で削ぎ落とされてしまった「呪術師の日常」を描いて隙間を埋めにかかってて、よくわかってるなって感じ
伊地知の話が2編もあるの最高にわかってるじゃん…メカ丸の掘り下げに来たのとか最高だね…?
あと五条と七海のやつは素直にやべえと思った

メカ丸は笑わない、その機能がないからだ、まだ誰もそれを知らないってめちゃくちゃ好き、素顔を見せる機会をずっと望んでいたのよね
三輪ちゃんは一般家庭出身者の中でもとりわけ庶民的な感覚を強く残していて、日常の欠如したメカ丸はそれを眩しく感じるんだろう
野薔薇ちゃんはかわいいけどイケメン枠で、かわいい枠は三輪ちゃん スーツに日本刀装備だけどかわいい枠

心がまやかしで機械的、という話は伊藤計劃のハーモニーでも出てきた要素だと思うんだよね

どうであれ、五条は表層をふざけた人格で覆って軽薄な人間の振りをしているけど、最終的には規範を執行する機構じみた無機質さと強固な規範意識があると思ってるから…

順平くんが言った「教師はおよそ社会というものを経験していないから、あんたみたいなでかい子どもができあがるんだ」が五条先生にクリティカルヒットしてるんだが

日本語では「愛(する)」をあまり使わないで「好き」に変換してしまうという話、言語学の授業でも出てきたので割と深い話題なんですよ。「好き」は形容詞で、愛すると好きは全く別なんですよね
間違えた、形容詞的に用いられる状態を表す言葉ね

夏油がいなくなっても五条には硝子がいるけど、七海には誰もいない、先輩も後輩も踏みとどまるにたる理由には足りなかった

高専を卒業して普通の大学の三年生に編入する七海が見たい 編入試験勉強を邪魔しにきた五条が七海の本気を悟って静かにお別れするやつ、さよなら地獄、こんにちは退屈で尊い日常って

よく考えなくても夏油、呪霊を取り込んでいるうちに思考が人を呪う方へ傾いていったという可能性が

呪術師は己の呪力が外に漏れないから呪霊を生むことがないなら、呪力が完全にゼロの甚爾もまた呪霊を生むことはなくて、呪いに転ずることもなくて、渋谷のあれで跡形もなく綺麗さっぱり消えてしまったんだ

冒頭で虎杖の死刑が確定しているのに、特に根拠なく「いやなんだかんだでハッピーエンドで虎杖は死刑を免れるはず」という強すぎる思い込みがあって、虎杖の行く末に全然悲壮感を覚えない

そういえばこの間、友人たちに「五条悟は六眼と引き換えに通常の視力がほとんどないのではないか」という自説を提唱したら普通に賛同されてほんと類友

また構図の話をするんだけど、甚爾が恵を禪院家に売った真意を恵はもちろん五条も直毘人も知らなくて読者だけが知っている構図、すごく好き

禪院直毘人は禪院家当主だけど、禪院家相伝の術式は継いでいなくて、現状では伏黒恵だけが継承者ってことでいいのかな?
御三家相伝の術式の発現率、実際のところどうなんだろ SSR六眼はさておき、他の術式もかなりレアな感じかな

アニメは京都校との野球試合にたっぷり尺を使ってくれて構わないんだよ

かつてプラトンは「肉体は魂の牢獄」と言ったけど、最近のSFだとむしろ魂(や精神や心に類するもの)の方が自由ではないというか、もっと肉体の生理的欲求に従えばいい、みたいな流れをよく見る気がする
医療の発達と飽食の時代の到来によって、かつて魂を縛り付けていた肉体の不自由さが大きく減少したからか、あるいは科学の発達によって魂/心の神秘性が暴かれたからか
真人の「目に見えないものを特別に考えすぎる」って、つまるところ、薬によってコントロールできる心とはそれほどまでに特別で不可侵なものではない、って話のことだと思ってる

真人の「見えないものを特別に考えすぎる」の裏を返せば「見えるものは特別ではない」ということで、よく見えすぎる六眼が何でも見せてくれるせいで何でも見えたつもりでいて、本当は心なんて見えなかった五条は手痛いしっぺ返しを食らうわけですよ
心と魂は別物扱いなのに鑑みて
六眼に判別できるのは肉体に刻まれた術式と、同じく肉体に紐く呪力なのは確定で、夏油の中身が違うことを見抜いたのって「親友だから」とかいうふわふわした理由じゃなくて六眼には魂の片鱗が見えるのではないか?と過去の自分が言ってた 心(魂の代謝)は見えないけど

自分を殺せるように教え子を育てている五条って、もしかして万が一、億が一、自分が敵側に利用された場合を想定しているとかそういう…
呪術の才を伸ばしたとて、それを実行してなお壊れない心を持たせるのは容易ではないのですよ、たとえまやかしの心とて肉体を動かし人の営みを続けるためには必要なので

ジャンプで十代の少年少女が大人に混じって戦うのは当然なんだけど、それが現実においては少年兵であるという引っ掛かりがずっとあったから、七海や伊地知がきちんと虎杖を「大人に庇護されるべき子ども/学生」扱いするのがすごく好き

「ミミズ人間2」で「完璧主義の人間がすべてを投げ出すまでの感情の動きがちゃんと描けている」って一瞬、夏油のことかと思った

毎週ED見てると五条めちゃくちゃむかつくな一発殴らせろって気持ちになるんだよね お前何のんきに踊ってんの?早く匣から出てこいよ

アニメ見返して気づいた
真人の「喜怒哀楽は心と呼ぶには機械的で魂の代謝にすぎない」から考えるに、呪霊は代謝の末に生まれる魂の排泄物とも言える。だから夏油は呪霊の味を吐瀉物に喩えたんだ
本来は体内にあったはずの、生理的嫌悪を催すもの、人から切り離されて独り歩きする負の感情の廃棄物

宿儺の指を食うごとに人でなくなるのに、以前と変わらず明るい笑顔を見せてくれる虎杖に負い目を感じて、宿儺の指を持って逃げる伏黒を虎杖が追いかけて、きつく唇を噛み締める伏黒の固く握りしめた指を優しくけれど有無を言わさずにほどいて20本目の指を食べきった虎杖に、常の軽薄さを脱ぎ捨て一切の表情を削ぎ落とした五条が「何か言い残すことは?」って問いかけると「長生きしてほしい」ってくしゃくしゃの笑顔で答える虎杖と、とうとう耐えきれなくなって落涙する伏黒の肩を抱く野薔薇みたいな幻覚を序盤の頃に見ていたら、後ろから五条と夏油にぶっ刺された

五条悟の行動原理を説明しようとするとノブレス・オブリージュになってしまうの、割と冗談じゃない
「そんなことしてお前に何の得があるの?」に「いやそんなもんはないが義務だから」ってなっちゃうよあいつ
無論、性格はクズなので、守るべき規範が殺人傷害とかの本当にやべーやつに限定されているきらいはある
もしくは本人の耐久性が高すぎて基準が高すぎる

高専時代の五条と夏油は絶対にツタヤで映画を山ほどレンタルして徹夜してると信じてるんだけど、最近どんどんツタヤが消えていくからそういう光景も過去の遺物になっちゃうんだよね
虎杖の映画はレンタルだったような気がしたんだけど、作中の時間軸(2018年)と現在(2020年)もかなり違うんだよね 今ならアマプラかネトフリでしょう

順平くんの末路は作者の情けだよなと思った てっきり虎杖の最初の(確固たる意思を持った)殺人が順平くんになるのかと

呪術廻戦、作者と趣味(思春期に接したジャンプ作品の好きな要素と好きではなかった要素)があまりにも一致しているので、自分に都合の良すぎる幻覚を見ているのではないか?と割と疑う

真人の領域展開の最初、暗闇の中で手と手が互いに指を這わせるところが自分の両手(一対の手)を握り合うというより誰かの手を求めているみたいで、そういえば「人が人を憎み恐れた腹から産まれた呪い」たる真人は他者への執着が結実した存在だったな、と思った

集合写真の欠席した人みたいな虎杖、あの時点では公的に死んでるから、笑った後に真顔になるやつ
あの亡き級友を思い出してしんみりしたじゅじゅさんぽから再会させるの割と鬼畜だな?

パンダ先輩のモフモフ豊満ボディの下に足突っ込んだら暖かいんですか?

先週のじゅじゅさんぽで公園で黒髭危機一髪していた子どもの呪霊を虎杖の最初の「殺人」対象にする残酷さすごく好き
先週のじゅじゅさんぽは突然どうした?と思ってたらとんでもない伏線だったな 手放しですごいと思う

順平が死んでも人(だったもの)を殺さざるを得なかった時も、本編では泣けなかった虎杖は列車に揺られ夢の狭間でようやく泣けたのね

人類の敵の宿主になったりその血を引いていたり力を受け継いでいるからと、最悪の可能性の芽を摘むように処刑されそうになる主人公が処刑を回避するために人を救うという話は割と見るんだけど、虎杖は何をしても死刑が確定しているってところは結構新鮮に感じたんだよね
虎杖の死刑の妥当性を補強してくるのすごいね?

虎杖を「善人」と定義し選んで助けたのは伏黒だから、選択の責任を負わなければならず、助けた虎杖が「殺人」を犯すたびにその「罪」は伏黒にも加算される、という話を原稿に書き足していたら14巻でもっと業を積んでしまったのでびっくりだよ
虎杖と野薔薇は「私たち共犯ね」って言ったけど、虎杖と伏黒も共犯関係にあるというか、罪を二人で分かち合っているみたいなところあるよね

七海もやりがい搾取の一種かもしれないんだけど、七海はそれを自分の意思で選んだわけで、後悔はしていないだろうけれど、一度逃げ出したくせに再び舞い戻ってしまうくらい、やりがいや感謝の言葉というのは大きいって話でもある

虎杖と野薔薇は受肉した壊相と血塗を殺した「殺人」の共犯関係で、野薔薇と伏黒は宿儺の指が共振で八十八橋の事件を巻き起こし死者を出した事実を虎杖に黙っているという共犯関係で、伏黒と虎杖は宿儺の犯した殺人の罪を分かち合うという共犯関係にある
三つ巴じみた構図が完成している・・・

呪術師にとっての悪行とは法に悖る行為(犯罪)ではなくて、負の感情を露呈すること、呪いの言葉を吐くことで、あれほど模範的に見えた七海でさえ守り切ることはできなかった 七海も人間だったので
五条の本質は規範を執行する機構じみた無機質さで元より人外なのだと思っているけど、己が最も価値を見出していた唯一の親友である夏油を殺した時でさえ世界を呪わなかったからというのもある かりそめの心だから呪いを生まないのではないかと

五条悟の誕生を皮切りに世界の流れが変わり、呪霊は強くなり、彼の後を追うように乙骨や秤のような才ある呪術師が生まれたっていう話、五条のせいで世界が変容している(変容の責が五条に負わされる)とも捉えられるし、より高次元の存在が世界を変革させるために五条を誕生させたとも捉えられると思う

仕方のないこととはいえ、毎年数人しか入学しない全寮制の学校なんて閉鎖空間、とても教育によろしくないよ
狭い世界で生まれ育った五条が口汚く罵りながらも社会の規範に従い続けて、元一般人の夏油が狭い世界で深みにはまって一線を越えるのは皮肉なものよね、五条にとって当たり前だったことが夏油にとっては当たり前ではなくて、その違いにつまづいてしまった

地獄を食って生きてるので、伊地知が心折れて呪術師から補助監督に転身した時の話が見たい
とはいえ伊地知は最初から補助監督枠だった可能性が高いような
呪術高専は基本的に学生を呪術師として育成し、脱落者を補助監督として回収・再雇用していると思っていたけど、毎年の入学者数があまりにも少なすぎるし、補助監督は別枠で育成・補充も行っているかもしれない

エアブー妖言の無配は硝子なんだけど、夏油の出奔で変わることを選択したのが五条で、変わらないでいることを選択したのが硝子なのかなって書いてて思った
硝子は立ち位置としては銃後で守られているけど、別に五条を温かく出迎えてあげるような甲斐甲斐しいタイプじゃなくて、人と距離を保ち深入りしないことを処世術とするタイプかな でも硝子のあまりに変わらない姿に帰ってきた五条は少なからず安堵を覚えていたりするのかもしれない

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