恵と津美紀の話、結びに書いた内容が展開として絶対ありえないことがほぼ確定したから書き換えないといけないというか、一節丸ごと新規追加なのですが?!

前の本で救う人間を選ぶと言う伏黒がもっとシビアな選択を迫られたらどうするつもりなのか、と書いたら最悪の選択を迫られる気配がしてきましたね

伏黒は己の良心を拠り所として、誰が悪人で誰が善人なのか、誰を助けるべきなのか天秤に乗せ続けなければいけない(今更降りられない)んだけど、津美紀が加茂憲倫の掌の上ということは、それがとうとう津美紀にも及んでしまう可能性が浮上してきたわけですよ。思う存分苦悩してほしい

欠点こそが魅力だから、新刊もひたすら五条/夏油、伏黒、七海/夏油の愛おしい欠点の話をしている

五条と夏油が完全に袂を分かった後に互いを唯一の親友と呼ぶのは、苦しみが終了してしまった関係は思い出として美しく輝くばかりだからね

欠点こそが人間らしさだから、神から人に成り下がるモチーフが好きなんだよね。完全無欠な存在が欠点を、感情を、心を得てたやすく揺らぐ不確かな存在に変容して、手の届かない場所から手を握れるほどすぐそばまで堕ちてくるから

伏黒は「何があっても譲れないもの」「何があっても守り通したいもの」を自覚しないといけないんだよね。社会的正しさなど関係なしに自分が望むから、ただそれだけで行動していいのだという自信、己の正しさを認めさせる力がなくとも自分の真に欲するものを肯定できる自信が足りない

真依が真希に「どうして一緒に落ちぶれてくれなかったの」と詰るのは、真希があんまりにも強くて眩しくて、手の届かない場所にいるのが耐えがたいほど寂しかったんだろう
この地獄だってあなた一人さえいれば耐えられたのに、という願いが卑屈で自分勝手だと自覚していたから、遠くで強く輝く真希を縛るようなことは言えなくて、本当は自分から手を伸ばせば届いたかもしれないのに、追いかける勇気がなくて見送って、後悔して恨み言を言うくらいしかできなかった

欠点を見て見ぬふりして勝手に祭り上げて、勝手に卑屈になって相手が遠ざかっていったのだと詰って、その実、自分から遠ざかっていったり

乙骨くんにとっては狗巻がはじめての友達みたいなものだから、虎杖に激怒するのは当然

友人と話していて、直哉と比べたら加茂憲紀は相対的にまし、ということになってしまった

御三家の皆さま方に呪術高専への入学義務がないということは、つまり禪院直哉は中卒…?
直哉は特別一級だから高専に在籍していたことはない、でほぼ確定よね

五条と直哉、小さい頃から行事の度に顔を合わせていて、家の関係もあって仲は悪かったけど同世代が少ないから直哉はなんとなく五条を気にかけていて、五条が高専に入学してからほとんど実家に戻らないからしばらく顔を見なくて疎遠になり、
直哉が一度用事で父に連れられ高専に出向いた際、ちょうど帰ってきた五条が別人みたいに大口を開けて笑っているのに目を疑い、その向こうにいる夏油の姿を認めて心がざわめき、五条が名前も知らないそいつと馬鹿みたいに騒いで楽しそうにしているのに疎外感にも似た感情が芽生えそうになるのを振り払う
更にしばらくして、五条が高専を卒業して京都に戻ってきたかと思えば、小さい頃みたいな無機質で冷酷な表情を取り戻し、あれほど嫌がっていた当主の座を父親からぶんどって力ずくで親戚を黙らせてワンマン経営を始めたのを遠くから眺めながら、ああ、あいつは自分の知らないところで変わったんだな、と

真希は真依がいなくても平気で生きていけるけど、真依は真希がいないと生きていけない。真希は恒星だから真依を過去にできるけど、真依は真希を光にしているから見失ったらどこへも行けない

御三家の人間で呪術高専に入学したのが五条悟が初めてだったのか、それとも先例がいたのか、そこがとても気になります
少なくとも真依の先例として五条が存在しているのは、真依にとっては少しばかり勇気づけられることだったのかもしれない たとえ才能に天と地ほどの差があろうとも

五条悟の呪術界からの永久追放と封印解除の禁止、もしかしなくてもこれ、五条家お取り潰しなんでしょうかね

乙骨くん、狗巻>>五条先生>>>>>>>>>虎杖みたいになってるけど、五条が箱詰めされた件についてはどう思っているんだろう

五条が共犯者扱いで呪術界から永久追放&封印を解くのも禁止で五条家失脚、虎杖と行動を共にしている呪霊に加茂家の術式が組み込まれていたのが発覚して加茂家が不利に、高専東京校の校長・夜蛾も教唆罪で死罪、パワーバランスが崩壊して、他の家と高専を潰した禪院家が呪術界を牛耳るわけだ

直哉くん、間違いなく五条のことは嫌いだろうけど、甚爾のことはどう思っていたんだろう。自分の立場を脅かさない位置にいて、それでいて特定の面では自分より優れた才能を持っていて、安全圏から無邪気に憧れたりするんだろうか

宿儺が伏黒を利用して何かをしたいのと同様に、五条も伏黒を利用して何か(おそらく呪術界の変革)を目論んでいて同じ穴の狢
伏黒は術式のみを目当てにされて人格を素通りされるのに慣れすぎている

甚爾は跡目争いに参加する資格が皆無だから、直哉にとってはむしろ安心感があったと思うんだよね。真依には「男の三歩後ろを歩く女」であることを求めるけど、甚爾は呪力ゼロにしても肉体的にはまぎれもなく「強い男」であるし、だから甚爾が出奔した時にはちょっとだけがっかりしたのかな

直哉くんがあれで猫被って非術師の友達(中学の同級生)がいたりしたら面白いんだけど、あの家柄と性格では無理かな

27歳男性の「ごめんちゃい?」は正直に言ってかなり厳しいのだが、あんな発言が出てくるということは直哉は末っ子なのかな 年下の女の子はいても年下の男の子は伏黒恵以外いないのかな

友人に直哉が七海と同い年と言ったら「七海が年の割に大人なのでは」と言われたんだけど、伊地知もきちんと大人だし、高専でも呪術師のキャリアが四大卒より早く始まる(御三家はもっと早いはず)ことを考えるとやはり直哉は幼稚だな いや五条も大概だけどね

最近まほやくやっててなるほどと思ったことだけど、弱いと群れる必要があり、群れて社会を形成したら社会性を求められるから、強い魔法使いは社会性が欠如して幼いまま精神的に成長しない(本能に忠実に生きる)という話、そのまま五条に向かうし、直哉ももしかしたらそうなのかもしれない

禪院家の強烈な男尊女卑は何か特別な理由があったりするんだろうか…貴重な術式を女児が継いだらどうするんだろ…政略結婚一択かな
出産や家事労働で家にかかりきりでもないはずだし、病院はともかく(反転術式持ちを身内に抱えているとか)、まさか2018年にもなって家電が皆無なんてことはないでしょ
いや家電が皆無の禪院家はそれはそれでおもしろいかも 猫かぶって同級生のおうちに行って初めて電子レンジを見る直哉くんとか

友人が「家電が皆無の禪院家に対し、加茂家は親戚の集まりの際にピザハットを注文」などと言い出したせいで、脳内の加茂憲紀が姉妹校交流会初日に宅配ピザを注文して真依を唖然とさせている光景が見えた

得物を持つことが格好悪いという禪院家の人間に対して、そんな縛りのない伏黒はごく普通に補助として得物を自分の影に収納したりするんだから、術式を持ってかつ自由に使える方が有利なのかもしれない

じゅじゅさんぽで京都校女子三人組の日常回があったんだから男子の方も見たいなと思ったけど、同級生に興味ゼロの東堂と天然ボケ疑惑の加茂とメカ丸(常識人枠)と一年生の新田(即逃亡)では30秒で崩壊するから無理だね
西宮って「ちょっと男子?」がとても似合うと思う

そういえば伊地知の眼鏡は普通の眼鏡なのかな…?
直死の魔眼ってすごい字を当てたなあとつくづく思うわけですよ
見えるということはそれの存在を認めることで、そこに在るものなら何とでもできるし、見えない(知覚できない)ものはないのと同じだから不可知論にもなるし、見られることにより認識できる領域まで降りてきて(あるいは上ってきて)存在が確定する
視線を隠すために呪術師は眼鏡を用いることが多いというの、自分からは見えて向こうからは見られないから優位に立てるわけだし 人は認識の8割が視覚というしね

術式が遺伝性である以上、呪術師の物語は血の物語でもあるんだけど、夏油の作った「家族」は血縁関係とは無縁に「心の繋がり」のようなものだけで成立する集団

ミミナナは学校行ってなさそうな雰囲気だけど、夏油ならたぶん籍は用意して本人の意思に任せていそう
夏油に連れられて失踪した以上、元の戸籍は使えないから偽の戸籍を用意して教団の誰かの戸籍に入れるんだけど、ミミナナは「夏油様がいい」って泣いて嫌がる

もしかして伊地知は事務方の実務で事実上トップだったりしないか だから伊地知一人で事務仕事をIT化させて実は割とやりたい放題していて、陰で若い補助監督から「やはり五条さんの後輩なだけはある」とか言われていたらおもしろい

伊地知みたいな苦労性で、戦闘力には欠けているのを本人も気にしていて、縁の下の力持ちと呼ぶにはいささか地味だけどいないといろんなことが回らない、みたいなタイプ、昔から好きなんだよね

真希にとって呪霊は「見えないからいない存在」であるのと同時に、禪院家にとっての真希も「見えないからいない存在」だよね
いない存在が消えたって気にかける奴なんかいないだろ、っていう見切りがつけられるのに対して、真依は曲がりなりにも家の一員=見える存在だから、そう簡単には逃げられない

もう一回ちゃんと読み返したら、硝子が五条のサングラスをかけているシーンあったんだね。夏油と口論する傍らで五条の外したサングラスをかけて、何も言わずに五条に返していて、その時にサングラスが常人にはほとんど何も見えないことに気づいたのに言わないの、誰にも肩入れしない硝子らしさ
夏油は五条のサングラスをかけたことがあってもなくてもいいと思うんだけど、あるなら、時折五条がサングラスをわざわざ外している理由を推測してそれでもなお心が離れたということだし、最後まで五条に何が見えていたのか知らないまますれ違って決別して殺されるのもそれはそれで

虎杖のおじいちゃんは「俺みたいになるな」って言ったけど、虎杖はおじいちゃんのこと普通に好きだから、自分では足りなかったのかなって、たぶん少しだけ寂しくなったと思うよ
虎杖の家には福祉関係の人が定期的に様子見してそう(特におじいちゃんが入院してから)だけど、伏黒家は絶対に来てない

六眼のみを継いだせいで豪奢な座敷牢に丁重に軟禁されている叔父上に会いに行く悟少年(齢一桁)、叔父上が常に目隠ししているのに何の支障もなく見えているのを「今にわかるよ」と言われ、そんなものかなと思っていたら、ある日起きたら気持ち悪くなって目を開けられず、家の人に眼鏡屋を呼ばれる

五条家のお坊ちゃんに毎年視力検査してサングラスを作ってあげていると、年々、坊ちゃんのサングラスの遮光率が上がっていって10代半ばに届く頃にはほとんど見えないレンズになってしまったことに慄然とするが誰にも話せずに悶々とする五条家御用達の眼鏡屋(準一般人)

常に登場人物たちの周辺にいるモブの妄想をしてしまうんだよね…周辺の人を妄想できるほど世界観がくっきりした作品しか好みにならないとも言える

高専を卒業すれば高専から仕事を回してもらえるから、その給料で自力できる。そういう意味でも真希真依は高専に入るしかないんだよね

昨日書いたやつ読み返したら無意識に未亡人を生産していたの怖すぎる

禪院家の女のキャリアがどうなってるのか気になるんだよな。よそから才能ある嫁を取ってきたり家の中から見繕うんだろうけど、子どもができたら術師をやめるのかな?
それだと死に物狂いで修行してもキャリア途絶が確約されているから地獄感が増す
「女はどうせ結婚するんだから」である程度で諦めてしまうのが普通で、努力する真希とそれに付き合ってしまった真依の方が珍しかったりするんだろうか

かつて女だてらに才ある呪術師として一目置かれていた女が禪院の跡取り候補に見初められて結婚、家庭に入るのを拒否したはいいものの、できそこないの双子を産んで立場が悪くなって引退まで追い込まれ、でもそんな母に負い目を感じて「私のせい?」と泣く娘を邪険にできないほどには母であってほしい
跡継ぎを産むために育てられたせいで素質は十分でも呪術師としての力量を欠く深窓の令嬢が、跡取り有力候補の男のもとに嫁いだが優秀な子を産めず、さりとて離縁もしてもらえず、牢獄のような家の中で冷遇されていくのでもあり
いずれにしろ、夫は任務中に亡くなり、後ろ盾はないものとする

六眼が呪力の痕跡をあまりにも克明に見せてくるせいで、高専のそこかしこにこびりついた夏油の呪力を否応なしに感じ取って眠れなくなる五条に、馬鹿だなあと思って睡眠薬と称した飴玉を渡してあげる硝子、よく眠れた?って聞くと素直に頷くから、それからしばらく砂糖菓子を処方してあげる

死にそうなほど辛い目に遭っても別に死にたくならなくて普通に息ができてしまうことに絶望するような手合いが好き

本誌読んでないから好き勝手言いますが、禪院直哉みたいな奴には意地汚く泥を啜って生き恥を晒しながら生き延びてほしい
なんだろ…間桐慎二的な…でもあの年齢であの言動はちょっとねえ…

ここ数日分のフリートにプロットの遺書風書簡で新刊でよくない?

友人の新鮮な悲鳴を聞くために書いている部分は大きい
殺すつもりで書いているのだから、死んでもらわなければ困る

物語上の制約や話の進めやすさで視点が取りにくい(一人称に据えにくい)キャラクターがたまにいるんだけど、ジョカゲで言えば結城中佐で、呪術だと夏油傑だったりする

夏油傑は中学校まで目立たない優等生で同級生とそつなく付き合ってた(どのグループとも付かず離れず)けど真に親しい相手はいなかった説を唱えているけど、それはそれとして同級生とほとんど喋らなくて長い前髪で目を隠した隠キャで高校デビューしてあれになったという友人説もよい

唐突に七海の祖父と祖母の出会いを妄想していた
七海の祖父が日本に来て現地の日本人女性と結婚、七海の母は日本生まれ日本育ちで実はデンマーク語はできない、みたいなパターンを考えていたけど、祖母の方がデンマークに渡って結婚、娘は日本に憧れて来日して日本人と結婚っていうパターンもあるね

夏油は「日常が地獄と思って呪術高専へ来たらこっちも地獄でどこにも逃げられない」みたいな可能性もあるっていうか、その話に以前言及したのを自分でも忘れていた

ハピエン主義でたびたび苦言を呈してくる友人が「この後の夏油傑の人生は急激なピークを迎えて一気に落ちるのを思うと最高」とか言ってて、やっぱりお前はわたしの友人だなって
昨日のやつ、夏油少年が最初に接触した呪術師は夏油が入学する前に死んでるんだけど、入学式で五条家の坊ちゃんと一悶着起こしたせいで全部頭から吹っ飛んで、理子の一件の後に死んだのを知ってもう悲しみすらなくてただ諦めだけに支配されているという設定

苦労性が好きという揺るぎない趣味

東堂葵(小3)の丸刈り頭を撫で回したい たぶん嫌がるから呪力体力すっからかんで疲れ果てているところを狙って撫で回したい

ずっと真希と同じ部屋だったけど真希は出て行ってしまい、一人で過ごすのに落ち着かなくて食堂へ行く真依、そこで騒々しい弟と離れてちょっと寂しくなってる三輪ちゃんと意気投合?していたらいい

夏油は本当に逃げ場がなかったというより、思い詰めて逃げ場を自分で塞いでいったタイプなんだろうけど、逃げたら自分が弱いということになってしまって、五条と「最強」を名乗っていた自分を裏切ってしまうからなんだろう
みたいな話を無限に書いてる
逃げ場がなくて詰んだ夏油、逃げ出したのに舞い戻った七海、自分が正しいと言い聞かせて愚かしい行為に及んだ夏油、愚かな行為と知りながら手を伸ばしてしまう自分を認めた七海、自分の弱さを認められなかった潔癖な夏油、自分が弱いと、それの何が悪いのかと開き直れた七海
夏油はたぶん自分が好きじゃなかったけど、二人で最強を名乗っていた頃の、五条が好きだった自分はちょっとだけ好きになれたのかもしれない。他ならぬ五条が手放しで肯定してくれたから
あの五条悟が相棒と認めた夏油傑に価値があり、それに優越感も多少あったから、五条悟の隣に立てなくなった夏油傑はその他有象無象と同じ存在に成り下がってしまうと恐れていたかもしれない。五条は「最強」ではない夏油傑を嫌いになったりしないんだけど、そこまで自分に自信を持てなかったというか
他人に評価を依存するとろくなことにならない。五条がちょっと調子に乗って夏油のことを忘れていたのを、もう金輪際思い出してくれないと、「俺たち最強どから」なんて嘘だったのかと悲観してしまったような、そういう弱さが夏油にはあったかもしれない

ハリポタの「穢れた血」みたいな別称が、家系枠でない一般家庭出身の呪術師にあるような気がします
高専内では一切聞かないけれど、御三家の人間と遭遇すると「あんなのが五条悟の相棒を気取っているなんて」って陰口を言われてショックを受ける夏油がとても見たい

五条悟が何にも揺るがない自己を確立しているのは六眼があるからだろうから、その六眼を封印されたら(奪われたら)アイデンティティを喪失することになるけど、今までの経験値があるし人格も完成してしまっているから、もう何があっても揺るがないのかもしれない
六眼も無下限も持たない五条悟は五条悟たりえるのか?という話で、生まれた瞬間から彼を構成する主要な要素を剥奪されてなお自己を保てるのなら、五条悟は何を支柱とするのか。しかしながら今の彼の経験はすべて六眼と無下限があったからこそだから、後には人の形をした入れ物しか残らないのではないか
まあ五条なら「そんな無意味な仮定をしてどうするの?」と返すんだろうけど

長い髪の男を見ると、ちょっと髪をガッと掴まれて悔しげに唇を噛んでくれねーかなって思うから、夏油傑にもやってもらいたい気持ちが若干ある
まあ夏油に対してそういうことができる力のある人間は五条しかいないのでどうあがいても無理だが
友人説の陰キャ夏油傑少年なら虐められてこの手の状況もありかも
その場合、順平くんとは逆に、虐めてきた相手に復讐するのではなく呪霊から助けてやって見下すし、次の日から雰囲気が変わっていじめっ子も大人しくなってクラス中が異変に気付くけど何もしないまま卒業、夏油傑はめでたく高校デビュー

夏油は五条と比べれば弱かったけど、それは決して悪いことではなく「人間らしさ」の表れであり、だから最強の素質を持って生まれ、最強を自負し最強でいることを求められる五条は人間であってはならない側面があると思うんですよ
そんな奴の隣に立ち、対等でいるためには、同じように人間をやめないといけない。でも人間やめてる奴ってのは生まれつき人間やめてるから、真似できる次元ではない。それでも己の弱さを否定し自らを強者と定義したところで無理がきちゃった
最強を名乗ったのはたぶん五条からで、夏油はその期待に応えようと無理していた部分もあるんじゃないかな

この世のたいていのことはグラデーションで、どこかで線を引いても必ず「何故」を問われるのをわかっていたから夏油は線引きが苦手だったし、公平さを履き違えたみたいに「みんなを救えない(救いたくない)からみんなを殺そう」になる。五条くらいシンプルに傲慢な方が生きやすかったろうに

夏油は術師が一方的に負担を背負わされる理不尽さに耐えかねていたのに、七海の「もうあの人一人で良くないですか」を聞いて、全部五条ならできるんだろうなと少し同調してしまってその晩は自己嫌悪で一睡もできない

夏油が呪霊の味を誰にも話さなかったの、強大な力の代償だと思っていてそれが当たり前で、力には犠牲がつきものとか思っていたんだろうか
夏油は「もっと楽に生きよう」という意識が希薄に見える。わざわざ他の道を捨てて呪術師なんてハードモード選択して「他人への奉仕」に似たことをしているからそういう性格なんだろうけど(七海も同様)
夏油と七海、「こんな苦労をしている私は報われるべき(やはり世の中クズばっかり)」と「こんな苦労は見合わないのでやめます(でもやっぱりやりたいので戻ってきました)」の違い

夏油の強者としての誇りは「線引きをしないこと」だったんだろう

「愛ほど歪んだ呪いはないよ」は実のところ順序が逆で、他人から理解されないかもしれないけれど本人にとってはきわめて大きな執着をそう名付けたのではないかと思わないでもない

登場人物は苦労してなんぼだと思っているから夏油傑(17)もいっぱい苦労するといいよと思って地獄に突き落とす

夏油傑の離反の責任を追求される高専側が報告書を求められ、皆が尻込みするなか夏油が関わった三年分の任務の仔細を調査して淡々と無味乾燥な報告書を完成させる補助監督の話が読みたい

超絶ブラックなのに毎年入学者がいる呪術高専、非術師の中で生きてゆけない子どもの受け皿として機能している節があって、けれども常に深刻な人手不足だから子どもたちをケアする人材もろくにおらず、地獄から逃げた先もまた地獄で本当の逃げ場などないと10代の少年少女に叩きつける構図になってしまう
この構図のまま呪術高専がずるずると運営されているのは、毎年そういう子どもが「供給」されるからだし、かつてそうだった子どものうち耐えられる精神力のある人だけが残るせいで永遠に続く
夏油傑が極めつけだっただけで、先例が皆無だったとは思えないんだよね
まあたぶん、補助監督もひっそりと離職してるし何人か鬱になってるよ

「努力する姿、苦しむ姿を見せるのはダサい」という年頃だったのも原因かもしれない。救われるのは弱者で、強者は救う側だから救われるわけにはいかない。強者としてのプライドが自分自身を追い詰める。心の強度が足りないのを、たぶん自覚しながら目を背けていた。隣に立つ奴が規格外だからなおさら
中学でいじめてきた連中(非術師)を見返してやりたい、という動機があった可能性は割とある気がする。今までの弱い自分とは別人になったと思って、けれども「自分」は過去と現在と未来で地続きで切り離せない。それを認めたくない一心で強者であることに固執していたというか

「誰も助けてくれなかったから助けを求める方法を忘れた」もそれはそれで地獄でいいですけど

伏黒には己の価値基準のみで善人と悪人を選り分けてきた報いを受けてほしいので、典型的善人と定義した津美紀が悪人に転じるシーンは来てほしい 来るよね?

呪術廻戦を読み始めた頃、想像を絶するほど仕事ができない人に手を焼いていたので、夏油にはそれなりに親近感がある

できる人間ができない人間の分までやるのは世の摂理なんだよね。それに対して見合った報酬が追加されるならいいけど、そうでないなら仕事を放り投げて逃げるか、できない奴に加害することになる
呪術高専はきっと、鬱で自殺コースをたどった先輩が探せば出てくるし、書類上は殉職したことになってる(任務中、自暴自棄になってわざと呪霊に殺されるが、遺族に説明しにくいのと体面が悪いのでそういうことにするならわし)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

inserted by FC2 system