By 反逆のルルーシュはブリタニアの狂った側面ばかりだったから、ユーロ・ブリタニアで騎士道精神を取り上げたんだろうな
アシュレイがなんかよくわかんなくて脚本に便利に使われていたけど、最終的に愛すべきバカになっててなんかもういいやって思った
いやわかんねえよ 雑にシンを裏切ってアキト側について、ブリタニア側に戻ってスマイラスを殺したと思ったらアキトたちと一緒にジプシーの仲間になってて、お前のアシュラ隊はどうした！？仲間は？！
アキトは設定はあったけど出しきれなかったパターンかな 1章はかなり詰めてたし
いやまあ、ギアスの世界でユーロピアがブリタニアと対等に(負け戦の雰囲気もなく)渡り合えるほど国力があるのかは知りませんが…
気が狂った国家のブリタニアと表面上は自由を謳い民主主義を掲げつつ無関心を装うユーロピアの対比、クズさの現実味が違うなと思った
民主主義と共和制の欺瞞はもっとほしかったよね、二級市民を死地に送り込む葛藤をさ
でもアキトでもユーロピアの一般市民に人道的な奴がいなさそうだったのは気になる
ユーロピアでひとつ気になるのが貧困の話で、シャルルが中華連邦を「富を平等にして皆貧しくなった」と言っていたから、ユーロピアは資本主義のはずで、貧困層が画面に映らない点
まあ、貧困は別テーマなのでカットするのが正しいんだけどね
ユーロピアは見たところ、資本の差があっても市民の貧困はなさそうだったから移民が最下層のはずなんだよね だからイレヴンをゲットーに入れるのに経済的理由から賛成する人もいたんじゃないかな？ 安い賃金で働く移民を排除すれば本国の人間に仕事が回ってくるから
安い労働力が欲しい資本家VS仕事を移民に奪われる労働者で、不満の捌け口は結局移民に向かう
ただ、ブリタニアが世界各地を植民地にしている大英帝国と合衆国のハイブリッドということは、ユーロピアはあまり植民地を持っていないはずなんだよね
となるとユーロピアの移民はブリタニアから逃れてきた人ばかりになるから構成民族(人種)がちょっと違うのかな
メタ的な視点で言えば、日本人向けアニメだからイレヴンの話になるんだけど、あの世界観でも日本は経済大国で、サクラダイトを事実上独占して1億5千万人の人口を抱えた紛れもない大国なので、当然教育水準も高いだろうし、ユーロピアへ渡った移民が社会的最下層になるとは思えないんだよね
そこはかとない疑問なんだけど、ユーロピアの共通語がフランス語になっているから、旧フランスを頂点として他の地域と格差がありそう そういう地域から旧フランスへ「出稼ぎ」に来てそう ユーロ内での「移民」状態というか
ユーロピアが西暦ではなく革命暦になっていたということは、キリスト教から解放されていることになるのでめちゃくちゃびっくりしたんだけど、よく考えたら現実のフランスは政教分離がかなり厳しい国なので、フランスをベースにユーロピアもそうであっても不思議ではないかもしれない
わかったぞ、ユーロピアの周縁地域(日常語がフランス語ではない、ナポレオンに征服されて編入された地域)から「移民」してくる人たちの不満の捌け口として、人種の違う日本人が差別されてるんだな
ギアスは言語の話もそうだけど、宗教的対立も完全にスルーしてて、そういうのめちゃくちゃ日本的なんだよね
フランス以外のユーロピアへ編入された地域はたぶん、日常語としてその地域の言語が残っていて、公用語/行政語としてのフランス語とバイリンガル状態なんだと思う
言語が異なるユーロピア市民のユーロピアとしての統一感は外敵であるブリタニアによって維持されているのではないかな
スザクより先に騎士の身分を得たナンバーズという設定はちょっとな…たしかにスザクは本国の皇族(継承権も高い)の騎士から皇帝の騎士なのでシンよりは上だが…
差別の話をすると、シンがナンバーズ差別の激しいブリタニア側でどうやって養子に入って良好な関係を築き地位を得たのかよくわからないんだよね
スザクがユフィの専任騎士になった時の針のむしろ感がないんだよね、シンには
レイラが社会的、道義的責任を放り出したように見えるのはまずかったと思う 結局ユーロピアは何も変わらないしイレヴンの待遇はよくならない
逆に、レイラ一人では国を変えることはできなくて、自分の手のひらに収まる人たちの幸せを守ることしかできないのだというのはリアルかもしれない
着地点が決定しているから何もできないんだろうな…だからこそシンとアキトはもっときっちり確執と愛情を描かないといけなかったんだが
ルルーシュがすべての悪を背負うためにユーロピアは変わってはいけないんだけど
ていうかアキトに亡国の要素なくない…？
アキトくんユーロピア生まれだし愛国心がある描写もなかったし、むしろシンにぐさぐさメンタル刺されてたスザクの方が亡国要素を背負ってる
よく考えたら亡国要素を一身に(勝手に)背負ってるのがスザクなんだった
全滅するか、少なくともレイラは終わりなき戦いにアキトたちを投じ続けて、死地に赴かせる責任と向き合い続けてほしかったな
アキトはミリタリ要素とオカルト要素の組み合わせに失敗してる感じ やりたい場面を繋ぎ合わせて全体的にわけがわからない
レイラたちの現代的なデザインの軍服を見ていると、ブリタニア側がいかに時代錯誤かわかる
ただ、現代に寄せたぶん、レイラのひらひらミニスカートは軍服としてどうなんだ？とは思った
あと現代的(現実的)なユーロピアで18歳で中佐は意味不明だよ ブリタニアは実力主義のよくわからん国家だったから、まあそんなこともあるかもね…で流せたけど
いまいち言及されないまま終わってしまったけど、シャルルが求めた「嘘のない世界」の反証がスザクだったと思ってる
死にゆくユフィに特区は大成功だよって泣きながら嘘をついて、記憶が混濁するルルーシュに「一緒にナナリーを迎えに行こう」って嘘をついて、相手の心のために自分の心を傷つけて
スザクの葛藤はよかったね そのためにジュリアスをあんなんにしちゃったのはあれだけど…
アキト1章は違うアプローチでよかったのに、そのテーマで走りきれなかったのは大人の事情で方向転換させられたのだろうか…それどこのR2…
アキトはカメラワーク、背景、政治的な設定は好きですよ
3章の、画面手前の暗い部屋でジュリアスに銃口を向けるシン、画面奥の空いた扉から明るい廊下が見えて、近づく視点の中で一滴の血の汚れもない白いランスロットのコクピットから降りる真っ白な騎士服のスザクのカットは好き
ランスロットはスザクを裏切らないが、つまりはランスロットを開発、整備している人間も裏切らないってことになる
ぶん殴られたのにそれを許してなんだかんだでスザクの後見人ポジションに収まったロイド、自分が思っているよりスザク個人に肩入れしてしまったのに気づいて真面目に渋い顔をしてそう
スザクがランスロットに乗った後、敵ナイトメアだけを破壊していて歩兵は直接殺してないよね？ 破壊したナイトメアが兵士を押し潰してしまっただけで たぶんあいつ、ゼロに揶揄された人道主義を発揮して手加減してる
たまに見せるスザクの上から目線、好き 自分が強者なのを疑いもしないし実際にそう
父親を殺した日、スザクは自分に人を殺す力があることに気づいてしまったんだよ
「自分のためには力を使わない」は自分に力があるってことだからね
職業軍人として殺人が合法化されているのに、たった一人、スザクだけが血塗られた平和の下に築き上げた死体の山を覚えているんだ ルルーシュが罪を持っていこうとしているのにそれを拒否して
脚本としてはルルーシュが一人で罪を背負ってそれを雪いだという演出で、ルルーシュもそのつもりなんだけど、スザクが相変わらず罪の意識を持ったままなのは物語の構造上の限界だったなとは思ってます
アキト3章の主役(山場)はスザクだと思ってる
ユーロピアとブリタニアのナイトメアの開発理念の違いはおもしろかったね ブリタニアがスラッシュハーケンで三次元的な動きをするのに対して、ユーロピアは二足歩行の人型から四脚形態へ可変にすることで機動性を確保している
wZERO部隊のモデルは明らかにWW2の日系アメリカ人部隊だけど、最前線で戦うことで愛国心を示すという要素は当時の厳しい人種差別に由来しているのを2017年(作中、実際には2000〜2010年代)に置き換えると日本の国際的地位が違いすぎて、そこの違和感がちょっとあったな
ブレグジットしてしまった今、ユーロピア共和国という「統一された欧州」像、かつての「いがみ合う欧州諸国が手を取り合って共同体EUを作り上げる」という理想が完全に幻想になってしまった部分はあるよな
ブリタニアと対立するユーロピアが英仏の歴史的対立と専制君主制（英王室）と共和制（フランスの市民革命）を反映しているので共通語がフランス語なのはわかるけど、よくドイツと仲良くできたな
フランスとドイツを結託させるほどにブリタニアの脅威が大きかったとするには、シャルル以前のブリタニアが内乱で国力が弱くなっていたという設定が邪魔をするんだが
そうか、ギアスの世界だと国際協調とかないんだ 二度にわたる世界大戦の末に構築された世界秩序がないから(ゼロレクイエム後の平和がこれに相当する)、他国なんか放っておいて自国のことだけなんだ
フレイヤが明らかに原爆のメタファーなわけだし(都合よく放射線による汚染が、ないので復興が容易)、シャルルが巻き起こした世界大戦をルルーシュが終わらせて、黒の騎士団が国連のメタファー
アキトの感想ツイートが14000字あることがわかったんですが、むしろこの文字数を一週間で書いた方があれですね、わたしの速筆ぶりが極まってますね
友人に論文じゃん！最終的に2万字になるよって言われたけどそうだよ、これからユーロピア共和国という幻想と移民排斥、域内での言語政策(妄想)についてを書こうとしてるよ
EU法規って加盟国の公用語すべてに翻訳されているんですけど(webで公開されている)、ユーロピアはフランス語で統一されてそうな感じする
しれっと出てきた革命歴という設定がヤバすぎるんだよな…EUという共同体のベースはキリスト教にあるので、これをほぼ完全に排除してナポレオンを代わりに据えているってことだよ イエスキリスト=ナポレオンだよ
いやあ、改めてBrexitの影響力はすごいなあとアキトを見ていて思いました
2000年代、ユーロの導入や加盟国の増加で長年いがみ合ってきた欧州が統一経済圏を作り上げたり、拡大するグローバリズムの流れの中でアキトのストーリー構成は組まれたのだろうけど、今やそれらが崩壊してしまったのを見るに、虚構の物語もしっかりと現実を反映してるんだなって思った
ユーロピア共和国の成り立ちってどうなってるんだろう…あれって市民革命の波及と言いつつ、実際にはナポレオンによる欧州の征服が成し遂げられた世界なんじゃないのか？
ユーロピアは自由を標榜しつつ、実際には差別も格差も生きていて、民主主義によって権力が細切れにされているから不満をひとつに受け止める場所がなくて、常にうっすら不満が溜まっている感じじゃないかと思うんですよ その矛先をイレヴン(や他の移民)にすり替えて政治家が人気取りしてる
アキトのエンディング、曲はとても好きだけど、「自由ってせつなくないですか、大人になったんだね/一人になったんだね」は曲がりなりにも自由を謳歌できる環境からの発言なんだよね その自由がないところだと贅沢に映る
描写は存在しないけど、神聖ブリタニア帝国の方がキリスト教で統一国家を作っていることになるのかな…欧州側が君主制と共に宗教も捨てて近代に突入していった感じ？
アキトの亡国要素、彼らユーロピア生まれのイレヴンやブリタニアから亡命したレイラたちには祖国がないという話が該当するけど、彼らがジプシーの仲間入りをして国家なるものに背を向けて流浪を選択するのは、はたして当初の予定通りの結末だったのだろうか…
というかね、やはりアキトはキャラの掘り下げが不十分で、ジュリアスとスザクが登場するとそっちに持って行かれてしまうんだよ
ポジション的に亡国の皇子に相当するスザクが出てきてしまうと、彼が亡国要素を全部持っていってしまってアキトたちが薄くなってしまう
征服した国の皇女と結婚する話はよくあるので、旧支配者階級のスザクが現支配者階級のユフィと組み合わさるのはぴったりなんだよね 妹を溺愛しているコーネリアはともかく情の薄いシュナイゼルはそのへんをよく弁えていて利用する気満々だったわけだし
キョウト六家の盟主、神楽耶はもっとこう、いろいろと政治的ポジションを描写してほしかったな
皇家は女系、その他の家は男系なのかなって勝手に思ってる 皇は他の五家から順番に婿を取る感じで
ナナナのスザクが軍属になったせいで枢木家はもうキョウト六家ではないと言っていたので、スザク以外の男子がいなかったのかなって思ったし、そうすると実はキョウト六家も後継者不足で衰退ぎみだったのだろうか
スザクが現枢木家の直系なのは間違いないけど、消滅した設定によると枢木家は本家の血筋(ギアスを授かる資格を持つ)が途絶えて今は分家(守護者の血統)だってことになってたので、いつ入れ替わったんだろうな
アキト関連を検索してみたら友人達による公開当時の暴走ツイートが引っかかって死ぬほど笑ってる
きみたちジュリスザなのスザジュリなの
友人たちのツイート、2013年じゃん 最終章でスザクがジュリアスの首絞めてたところ劇場で見たのか？大丈夫だったのか？
ルルーシュくん、「生きろ」じゃなくて「そばにいて」って言えばよかったのに、スザク自身の手で自分を選んでほしかったんだよね でもそれは別にわがままじゃなくて、一人の人間として愛してほしいと望むことはごく当たり前のことだったんだ、愛を与えたら愛を返してほしいものだから
ルルーシュの与え方が悪かったからスザクは与えられた意識がなく、また自分に価値があると思っていないからルルーシュから自分に向けられる愛に気づかず知らず知らず拒否している
だからユフィは強引にスザクに愛を押しつけて握らせて手放さないでって、同じものを私に返しなさいって命令したんだよ
この場合の愛とは広い意味での愛情です
アキトでナポレオンが断頭台の露に消えたということは、やはり磔刑に処されたイエス・キリストとナポレオン・ボナパルトは重ねられているのでは
ナポレオンが史実通り皇帝になろうとしたが断頭台送りになった世界線かな？
で、庶民向けの歴史としてはナポレオンは英雄と喧伝してるとか？