友情が崩壊した途端に互いを唯一の親友にカテゴライズする夏油と五条、まさしく青春はその瞬間に終わってしまい、同時に未来もなくなって、終わってしまったから、過去になったから、臆面もなく親友だなんて言える

世界を恨まないどころか世界・人の営みを守り続ける五条悟は、恨むだけの心がないとも取れるし、あまりに社会規範が枷として強固に働いているか、六眼に課せられたシステムとしての振る舞いとも取れるし、あんなんでも世界の美しさを、醜悪な感情に混じる一握りの人の善性を信じているのだと思う

昔、わたしが真に少女だった頃、自傷行為というものを理解できなかったんですよ。今ならわかる、傷つくという行為で以て痛みを感じる自分が「生きている」ことを実感するし、苛立ちを本当にぶつける相手にぶつけることができなくてその矛先が自分に向かうんだ

自分のツイートや17巻あたりを読み返していて、直哉が徹頭徹尾クズだなって思った どこをどう取ってもクズだわ

五条も直哉もクズだけど、五条は具体的なクズエピソードが欠けている割に最強エピソードが入れられているのに対して、直哉は自称天才っぷりがあまり描かれず、強敵相手に苦戦しがちな上に最後は術式なしの雑魚に殺されるのに、クズなところは余すところなく見せてくれて、扱いが天と地

もう禪院直哉の再登場はないと思うけど、禪院家で唯一まともに学校に通っていたことがある直哉くん説は今後も推していきます

直哉は小さい頃から天才ともてはやされたのに自分より強い甚爾を知ったとき、プライドをへし折られなかったのかな

自分より強い甚爾が跡目争いでは競争相手にならないことのねじれが直哉に武器を持たせたのかなって

直哉は天才だったけど最強ではなくて、身ひとつでは足りないことを五条悟や禪院甚爾で思い知って、自分がまだそちら側にいないことを理解していて、でも禪院家の後継ぎは自分だと確信していたわけでしょ

直哉がダサいと言いながら小刀を持っていたところに、彼の努力の痕跡を見ないでもない

家の後を継ぐのはその時に家の中で最も強い男であって、歴代最強である必要はないし、まして他の家の人間より強い必要もなくて、自分がそういう「運がよかった」だけのことを直哉はわかってたんじゃないかと思う

禪院直哉27さいはまあ…うん…大人げなかったね…大人でいる必要がないっていうか

五条悟なんかが顕著な例だけど、あんまりにも強くて他者を必要としない場合、大人になる=社会性を育てる必要性が低くなるんだよね 助け合いが不要だから、幼稚な人格のままで許されてしまう

伏黒姉弟はあえて元のボロアパートに住み続けているといいよね
恵の呪術師としての稼ぎと五条からの経済的支援でもっといい家に住めるのに引っ越さないのは、呪術師であることを津美紀に隠すためと五条に言い訳しつつ、本当は津美紀がまだ心のどこかで親の帰りを待っているのを知っているから、とか
自分はまったく信じていないけど、津美紀が信じていることをうすうす悟りながら言わないし、もちろん馬鹿にしない 早くあんな奴らのことなんか忘れてしまえと思いながら、たまに楽しかった時の親との思い出をぽろっとこぼす津美紀の泣き笑いの顔は見ないふりをする

恵が呪術師として働き出したのは中学生からだとして、給料ってどれくらいもらってたんだろう たぶん学校の勉強もそれなりに頑張ってたはずだし、相当に無理してそう

五条の手伝いと言いながら時々夜遅くに帰宅する恵を心配しつつ叱ったりするけど怖くて詳しく聞けない津美紀と、口うるさい津美紀を疎ましく思いながらも次の給料で何かいいものを食わせてやりたいとぼんやり考える恵

赤の他人のくせに、たった一つしか違わないくせに姉貴面してくる津美紀に、実は家計を支えているのは自分なのだと、子ども扱いするなと言いたくなるけど、たまに二人だけの家の中で自分が一人ではないことに安堵し弟扱いされるのに甘えてしまう恵 たぶん二人の身長が並んだ頃

友人の家に泊まりに行くとかで津美紀が家を空けていると狭いボロアパートがなぜだか広く感じてしまって、どうしようもなく落ち着かなくて玉犬を呼び出して毛並みを梳いている恵 そのまま玉犬に添い寝してもらう

虎杖くんの健全さと比べて、伏黒姉弟から漂う機能不全家族感は何なんだろうな 役所の人が敷居をまたいだことなさそう
伏黒家を家庭訪問した役所の人がたまたま訪れていた五条と会って、外面のいい五条に騙されて保護者の方がいたんですね!って勘違いしてだんだん遠ざかっていって、恵としても好都合だからそのままにしてる感じ?

直哉のnoteを書いているので、なんで自分はこんなものを…という気持ちになりながら直哉のクズっぷりを考察するはめになっている

複雑な人間関係もその拗れ方も、人格の後ろにあるそれぞれの背景も行動に至った理由づけもすごくリアルで、不自然さを感じさせない

日車と夏油についてのnoteを書いていて18、19巻を読み返している
呪術は呪霊を負の感情から生まれると定義したとおりに、感情がとてもよく描写されていて表情にもよく表れているなと改めて思った

読み返したら五条悟、幼少期から賞金をかけられていて、たぶんというか確実に家から出してもらえてないでしょ

御三家みんな由緒正しく京都にずっと住んでそうなのに、京都弁しゃべってるのが直哉くんだけなの何で

本当は自分の給料で津美紀にかわいい服とか着てほしいんだけど、津美紀のプライドに配慮して黙っている恵、あるいはいかにも女子向けの店に入るのがためらわれて店の前で二の足を踏む恵

年頃なので一緒に買い物したがらない恵を引っ張って買い物に出てた津美紀、つい可愛い服を欲しいなと思いながら見ていたらそれに気づいた恵がほしいのかと尋ねてくるのを何でもないよって否定する、恵は何も言わない

日車と夏油のnoteがまだ仕上がらないんだけど、夏油って本当に思い切りがよすぎて、まさしく思春期ゆえの閉じた世界と視野の狭さと潔癖さと世界への早すぎる絶望みたいなのをいっぺんに併発した悲劇をひしひしと感じる

夏油が一人で苦悩して振り切れちゃった時の教師の存在感のなさと、翻って虎杖には割と導き手が存在しているという描き方、五条夏油と年が近いというか作者と年が近いので、なんかそういう感覚が似ているなと思う 気づけば思春期は30歳くらいまで延長したし高校生は完全に大人じゃなくなったなって
嫌なことに気がついた 30歳まで思春期なら五条も範囲内だし直哉くんは思春期の最後のあがきじゃん

玉犬が恵の成長とともに大きくなるのもいいけど、最初に呼び出した時から大きさが変わらなくて、自分より大きい玉犬の毛並みに埋もれている恵ちゃん(6~7歳)は可愛いと思う
でかいもふもふの犬の毛並みに埋もれる幼子はかわいい たぶんきっと枕草子にもそんな感じのことが書いてある

夏油傑、自分の葛藤で手一杯だったのに目の前の惨劇を見過ごせなくて衝動的に手を出してしまい、その時の選択を裏切れない責任感から、過ちと認められない自尊心から自分の立ち位置を決めてしまったやつ

なんかギアスを通してなんで呪術がハマるのかを改めて理解してきたのだが
だって呪術、人間関係がきっちりしてるじゃん 相互の努力によって関係は維持されるから、バランスが崩れるときっちり崩壊するじゃん
みんな夏油傑がいかにして追い詰められたかを理解していて仕方ないなと思っている一方で、決して夏油傑の為した行いを肯定はせず、間違っているという評価のまま、でも夏油傑のことはたしかに好きだったのだと明確に線を引いているところの構成が上手いんだよね

五条悟に染み付いて消えない、うっすらした血の匂いに気づく瞬間の伏黒恵が見たい 家庭環境のせいで年の割に大人びて、ひねくれて斜に構えてそれでも五条の庇護下にあった伏黒が突然、呪術師とはこういうものなのだという現実を突きつけられて、自分はまだ子どもだったことを悟るの
ミミナナが出会った時点で夏油傑は血にまみれているのでそこはいいけど、そのあとどんどんわざとらしいハイテンションな感じに仕上がっていく夏油様に戸惑った瞬間とかあったのかもしれない でもいつまで経っても自分たちを捨てない夏油様がふと見せる穏やかな眼差しの方がつらいのかもしれない
「親が人間だったことを知る」と「自分が守られている子どもだったと知る」が大人になるステップよ

伏黒が最初に呼び出した玉犬が子犬で、戦う時だけ大きくなってたりしないかなと思ったがこれはケロちゃん

パチンコ屋に入ったのは嘘をついて言い逃れしようとしている(特に悪いとは思ってない)くせに、渋谷の大量殺人は一片のためらいもなく自分のせいだと言う虎杖は何回見ても悲しくて、潔くて、世の中の正しさを信じているし、信じられる環境にいたんだなって思う

虎杖のおじいちゃんは無愛想だし、面倒見がいいわけでもない上に子供をパチンコに行かせちゃうダメな大人だけど、でも本当にやってはいけないことを、絶対に超えてはいけない一線を虎杖に教えることはできていて、虎杖はそういう正しい愛情を少なくとも一人には注いでもらっていたんだ

無条件の庇護というものが自己肯定感を育むというか、虎杖と違って親がいなくて五条から与えられる庇護は条件付きだった伏黒が醒めた目で世の中を斜めに見ていたのはごく自然なことであり、むしろ健気な津美紀の方がおかしい、と少なくとも伏黒は感じていたんだろう

「正しさの指針とは何か」「何をもって悪と断じるか」はありふれた命題なんだけど、これを論じるわたしが曲がりなりにも法治国家で法に守られている、という前提はとても大きいな、と五条と夏油と日車に対して思ったし、スザクに対しても思っている

津美紀の母親はダメな男に引っかかりやすいけど、根は愛情深かったと思うんだよね でなければ津美紀は誰から愛情を与えることを学習したのかってなる

津美紀が血のつながらない弟の小さな手を握って「私が守ってやらなちゃ」と思って、そういう「いい子/弟思いの優しい姉」であること自らに課すことで必死で立っていただろうことを考えると、徹底的に庇護者がいないんだよねあの家

夏油が親を殺したのに驚く五条のところ、夏油がそんなことをする奴じゃないと信じ切っていた顔で信頼が見えたのと同時に、五条自身は自分の親に何の感慨もなさそうなのに親殺しがいけないことだと知識でなく実感を伴って知っていたのは、夏油を見て学習したんだろうかと思っていた

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