乙骨くん、里香ちゃんとの純愛を全うしたからってゴキブリと口づけを交わすな 思い切りがよすぎるだろ

いろんな術式の登場により五条を超えうる現代的術式が示されたけど、かえって五条悟が古典的呪術の遣い手として最高峰なのが明確になったように思う

六眼の「見る」ことは見通すこと、理解することで、つまりは人の知性の根源とつながっている普遍的な概念なので強いに決まっている

前も書いた気がするけど、古今東西に邪視・魔眼の考え方が見られるわけで、人の信仰が呪力に形を与えるなら普遍的概念ほどに強い

六眼はおそらく仏教系なので東アジア~東南アジアで強くて欧州へ行くと威力が落ちたりしない?そんなことはない?
いや術式って社会で共有された思想が個人の呪力を固定化するものだとすれば、仏教的思想を内在化させて術式を作り上げることになるから移動しても問題はないか

乙骨くん、時々すごく人相が悪い

五条を信頼しているし敬愛に相当する情もあるが五条の言うことは信用しない乙骨くん 五条が普段、冗談なのか本当なのかわからないことばっかり言ってたんだろうな、狼少年

呪術廻戦の呪術と型月の魔術は「人がそうと見なしたものにそう力が宿る」側面が似ていると思うのですけど、そのように「願う/呪う行為がたゆたう力に形を与えて体系だった一種の技能となる」というのが前時代にあると信じられた超常的な力に対する近現代的解釈の姿勢なのかもしれない

夏油が五条の親友であることを乙骨が知っていたということは、どのへんで教えてもらったんだろ あの学生証を返してもらう時点で乙骨はあんまり気づいた風ではなかったよね?
硝子が夏油のことを教えてくれたのかなって思ったけど、五条に直接聞いても教えてくれそう

生徒に夏油と仲が良かったのか尋ねられてもへらへら笑いながら、そんなことないよ~いつも喧嘩してたし~と当時の悪行を暴露して生徒をドン引きさせるが、絶対に自分が殺したことには言及せず、楽しかったことしか言わない五条悟

甚爾が津美紀と会話してたシーン、「最終的に二人殴れるからお得」なんてろくでもないことを最終的には言うんだけど、でも喧嘩は止めろ、褒められるし、って親っぽいこともちゃんとしてたんだな 津美紀とその母親にもそれなりに情はあったんだな

リカが腕を食った術師の術式を乙骨がコピーするのは夏油と似ているというか、やはり特急呪術師は古典的呪術だね 見る、食う、愛する
文学系の論文で食事はセックスと同義という話を聞いたことがあるので、食った相手を取り込むのも愛の術式を持つ乙骨にふさわしいのかも

前巻で伏黒は人を殺したわけだが、たぶん己に危害を加えようとする者には容赦なく反撃し殺すことも厭わないけど、無抵抗な相手は殺さないでおくって線引きなのかな

伏黒の脳裏で自分の行いを咎める津美紀は津美紀本人ではなく、津美紀ならこう言っただろうという伏黒の想像が形作る幻なのを、たぶん伏黒もわかっている

何者にも成る必要がないと嘯くのはいつだって何者かに成った者だって台詞、その通りなんだよね 何者かに成って初めてそれに大した価値がなかったと言える

何者であるかというのは自分の意識、定義の問題でもあるので、「何が不満なんだ」に対する「満たされていないからだ」っていうのとなんか似ている

完璧なものが損なわれる美しさ、人間味に欠けるがゆえに神のごとき完璧さでいたものが心を獲得して人に成り下がり、神としては零落するが人間としては完成に近づくという矛盾が好きなんですが、最も人に近かった頃の五条悟はきっと美しくなくて、でも彼を人にした夏油傑と一緒にいた時は美しかった

外付けの術式と呪力の備蓄、つまりは倉庫にリカという名前をつけているのに、死んだ時の里香ちゃんでも成長したイメージでもなく、化け物そのものだった姿を与えているということは、乙骨はリカの姿を嫌悪したことが本当にないんだ

0巻でもそうだったけど、乙骨はリカに誰かを傷つけてほしくなかったけどその姿に対して何とも思ってなかったあたりがすごい

孤独の中から這い出してようやく手に入れた友達と信頼する先生なのに、どっちにも依存しないどころか五条に対しては辛辣なところがある乙骨くん、自分のためには生きないのに他人を行動の指針にしているわけでもなく不健全さがあんまり感じられないのは(元)主人公らしさのように思う

互いに欠けた者同士でも、依存するのではなく互いに足りないところを補える健全な関係を築けたのは五条のおかげでもあるが、みんな辛辣なんだよ まあ法律に抵触しない程度にはクズなんだけど
というか抵触しないラインを見極めてやってる節もありそう

0巻を読み返しているんだけど、乙骨くんは大人しそうな外見のくせして夏油にみんなを傷つけられて「ぶっ殺す」とか言うわけだし、そういう激しい情動を持っているから里香ちゃんが怨霊になっちゃうんだ 愛が深い人間は憎しみも深い

夏油をめぐる一連のエピソード、夏油の悪行を肯定せず、けれども夏油が好きだったという己の感情も否定せず、それほどまでに追い詰められた夏油に理解を示しながらも行いを許すことはない、そこをすっぱり切り分けている線の引き方がすごくよかったんだよね

みんなが最強であるところの五条悟を最後の頼りにするのに対して、乙骨が「先生に二度も親友を殺させない」って思うのは前作の主人公として正しく成長した(から主人公として引退した)って感じがしてよかったな
弱者を救える力を持つ強者にすべてを押しつけた結果、夏油はつぶれてしまったわけで、たとえできるとしても全部五条一人がやればいいわけではいけないと悟ったから五条は先生をしているのだから、その教えを乙骨は正しく受け取ったんだよね 五条がどんなに強いからって傷つかないわけではないって

五条も夏油も壊れないものと見なされて壊れるまで使い倒されて、夏油が壊れても五条は壊れなかったけど、本当に壊れるものかどうかを抜きにして「壊れるかもしれないのだから」と五条を案じる乙骨くん、優しさというよりもそれだけの力を得たということなのかもしれない

夏油は五条を人の姿をして人のふりをしている人でないものから人にしたのに、夏油を失った後の五条は人のふりが上達した、人の姿をしている化け物に戻ってしまって、でも乙骨は誰もが自分とは違うものと見なす五条を自分と同じ人として扱うんだよね

(親と並んで)神聖視されやすい教師もただの人であると認識できるのは成長の証なので、乙骨がそうやって五条に気を払うことができるようになって五条もさぞ鼻が高かろう ほら見たか、僕の自慢の生徒だよって

いくら頑丈で壊れないからといって石を投げ続けていいわけじゃないから
乙骨くん、五条が望んだ姿そのままだよ あれが夏油に対してそう接してほしかったいつかの誰かの姿でしょう

たとえば伏黒が「俺が一人で400点獲る」と言ったら「自分の命と引き換えなのか?」と不安しかないが、乙骨が言うと絶対的な自信を感じるし、「あんなに頼りなかった乙骨が成長してる!」って思うの、自己肯定感の差というか、物語におけるポジションの違いから来る人格造形の差

でも伏黒もサスケポジションだけどナルト(虎杖)に不健全な形で嫉妬せず、五条に稽古を頼む=自分を磨いて強くなろうとするので、そのあたりとても健全な精神構造 年齢の違いもあるとは思うけどね

乙骨が五条に頼りきらずちゃんと人間扱いするのは、里香ごと化け物扱いされていた自分を「そんなの大したことじゃない」っていい意味で軽く扱って普通の生徒と見なし指導してくれたからで、だから夏油との人間関係が不均衡に陥って崩壊させてしまった五条は乙骨で成功したんだなって思う

乙骨が自分のためではなく大切な人のために生きると言うのに精神的不安定さをそんなに覚えないのは、真希やパンダや狗巻が自分を大事にしてくれると確信して自分の守りを明け渡しているという、仲間への信頼と信頼を受けられる自分への自信から来ているように思う

五条悟は鏡なのだと思っている 彼は強すぎるがあまり、さまざまな感情を掻き立て、それらを向けられてもびくともしない(揺れるほどの情がない)から、彼を見る側が自分の見たいものを投影して好きに解釈しがちで、だから本編中に彼の視点で語られる部分、モノローグで語られる内心はそんなに多くない
そういう扱いをされ、本人もまた当然だと思っていても、でも五条先生も人間ですよ!って言える乙骨の成長具合はめざましいよね たとえ傷つかない、壊れないものであっても、僕はあなたを大事に思っているので!って示すのは大切なことだよ

乙骨は既にその境地を脱しているから、五条が鏡ではなくてちゃんとその向こうに人間が見えている

人のふりをして人の姿をしているだけの人ではないものがとても好きなんですけど、でも人として振る舞うのならばそれはやはり人なのだ、と五条に対して書いたけど、それが今、乙骨によって回収されているのはとても素晴らしいことなのだと思う

あれか、わたしは五条への解釈が乙骨と一致しているのか???

五条悟は人間にはならないが、乙骨憂太の前では殊更に人間のふりをしなくてもよいのでは?
いや乙骨くんは五条があんまりにも人の心を無視した行いをしたら静かに咎めるよな そういう意味でも安心して人のふりをしなくて済むかもしれないが

五条悟の対等な立ち位置は夏油傑が生涯占めていて、別に乙骨もそこに座りたいとか思ってないし丁重にお断りするんだろうけど、現状、五条を最も対等な人間扱いしているのが乙骨っぽいんだよね

夏油傑にとっての悲劇は五条悟が人間ではなく、人の姿をしているがゆえに惑わされ錯覚してしまったことで、でもそれらは五条が悪いわけじゃないんだよね 五条は生まれ持った性質のまま生きていて、生きることを許されるほどに強くて、ただ五条と同じくらいの強度の人間はいなかったってだけ

残されるどころか自らの手で幕を引いた五条悟は、普通の人間なら同情の対象になるが、五条があんまりにも強いから同情される余地がないところが彼の悲劇になるはずだった要素で、「最強」の影に隠れたそれに乙骨だけが気づいている
七海や硝子は五条・夏油と近すぎたから

呪術も人間関係のすれ違いともつれを見ているのは読者だけで、そういうところの描写が好きなんだよね 甚爾の恵に対する爪の先ほどの愛を知っているのはわたしたちだけ、五条だって知らない

可哀想な境遇にいること自体よりもそれが可哀想だと認識されないことの方が可哀想だと思っている
五条は可哀想な境遇と言えるかもしれないが、本人が自分を可哀想な目に遭っているとはちっとも思っていないし、実際、彼は非常に恵まれているのは間違いなくて、
だからといって彼の不幸さは無視されていいわけではないけれど、彼は同情を受けるには強すぎる
だから五条悟は不幸というより不運だったのだと思う 自らを強者と定義した夏油が他者からの憐れみを拒否して自ら地獄へ堕ちてゆくように、どこまでも強者である五条には共感が生じる隙がない

そういう、人の姿をして人のように振る舞う人でなしを、でも己の本質に枷を嵌めて人の中で生きようと人のふりを続けるなら人と呼んでもいいだろうと思っていたら、20巻の乙骨くんが五条先生を普通に人間扱いしたので激しく動揺した

血統や地位や呪術の才や体躯、容姿すら恵まれた五条悟を誰もが羨み嫉み憎む中、五条を純粋に好きになって対等な立場にいたのは夏油傑だけで、この二人の関係性に代替品はないけれど、でも五条はまだ今を生きているから、彼は変わらなくても彼の周囲の人間は変わり続けるんだよね

五条と夏油の関係は完膚なきまでに終わってしまったけれど、五条はまだ生きているのだから他者との関わりは生じ続けるし、その関係性も時を追うごとに変化する それをすっかり忘れていたのを乙骨が思い出させたんだよ、あいつも人間だって

乙骨憂太なんなんだよ…まあ五条はクズだけど人のふりはけっこう頑張ってるから、その努力をわたしくらいは見てやるよって気持ちでいたら、何のてらいもなく五条に気を遣いやがって…さすが前作の主人公だよ…

乙骨はもちろんこれからも経験を重ねて成長するんだろうけど、もう未熟ではないって感じで、そういうところが引退した前作主人公っぽさだなって思う 成長物語の主人公が持つ青臭さを脱臭して、頼れる先輩にステップアップ

五条悟も夏油傑もどっちも不幸で不運だったなと思うけど、被害者性で言えば圧倒的に夏油なんだよね
正しく在ろうとして無理して、折り合いがつけられなくて壊れた夏油は世界に壊されたと言ってもよくて、一方の五条はぴんぴんしてるから被害者には決してならない
壊れるまで被害者として認定されないので救済の対象にならない、というのは司法の穴というか、だから夏油は追い詰められたし、日車も割とこんな感じだったし、五条は救う側に立ち続ける

五条と硝子は互いに完成しているところがあって、全くの不変ではないにせよ安定していて、そこへ入ってきた乙骨はまだまだ成長して変化する側にいるから、いい意味で関係性の変化が訪れる予感なのかも

強者が救われるためには己の弱さを認めることが必要になるが、己が強者であることに強烈な自負心があると難しい
弱さを持っている、それを認めることこそ真の強さで、乙骨はそこを満たしていると思う
いわゆる「弱音を吐く」ことが必要なんだけど、それができないほどに夏油は若く、けれど周囲は夏油を大人扱いしたのが悲劇の始まり
夏油は多分に周囲に潰されているんだよね できる人間に全部やらせがち(そしてやらされた人が潰れる)なのはとても現実味がある

弱者救済はノブレス・オブリージュとよく似ていて、生まれも育ちも高貴そのものの五条は口では嫌がりながらも骨の髄まで身分に付随するそれらに浸かっているのに対して、夏油はあくまで一般家庭出身だから、いくらノブレス・オブリージュ的信条を唱えても彼は見返りが釣り合わず、あえなく失敗した

夏油の中学時代にもよるが、非術師の社会から排斥される己の異能こそが己を強者たらしめるから、夏油は呪術師を辞められなかったのかもしれない
五条はその異能を畏怖こそされても排斥されることはないし、そもそも彼は世界を廻し続けるシステムに組み込まれている節があるので当然だと思ってそう

夏油と日車は弱者救済に行き詰まるところがよく似ていたけど、醜い弱者に牙を剥いた夏油に対して日車は権力側(=間違ったルールを強いる側)を殺していて、かつ自分で踏みとどまることができたのは、夏油は大人びているだけで大人じゃなくて、日車は大人だったってだけ
日車は逆恨みされた被告ではなく、被告にそういう目をさせた検察側に殺意が向いているところが彼の矜持だったのかなって思う
まあ、自分の信じる正義に違反した人間が体制側の強者だったってだけかもしれないけど

ノブレス・オブリージュは施す側の社会的地位が高いことが前提で、その点、呪術師は足りないんだよね 非術師より力はあっても社会的な承認を得られる職業ではなくて、生物的に強者でも社会的には(高給取りらしいので弱者とはいかないまでも)強者ではない
その狭間に夏油は落ちていったって感じ

里香ちゃんは乙骨の内なる加害性なので、乙骨は里香ちゃんのやったことをその身に引き受けないといけなくて、一方で虎杖は完全に他人の宿儺なので本人の責任は薄い
でも宿儺が別人なせいで虎杖の意に反して虐殺を繰り広げてしまう
そのへん、乙骨は過剰になってしまっただけで防衛本能の一部みたいなものだから、殺意は薄いし人は殺していない
身に余る力に振り回される主人公同士でも結構違う

そういえば里香に腕をもがれた夏油は放っておいても死んだはずだけど、五条がとどめを刺したことによって、図らずも乙骨に殺人の罪を背負わせなかった(親友を殺す権利を乙骨から奪った)なあと思った

夏油とミミナナの件、本来は強者である術師のミミナナが同時に子どもという弱者であるせいで、本来は弱者である非術師が多数派なのもあいまって強者にスライドしてねじれた構図なので、ストレートに強者と弱者が分かれたままの日車の場合とはちょっと違うけど

伏黒が乙骨を尊敬するに至ったエピソードって何だろうな 五条がわけわかんないこと言い出しても普通の顔で「先生、それは無理だと思います」って言って止めたら英雄扱いされそう、伊地知とか七海に

幼少期より五条に振り回され連れ回される伏黒恵、学生時代より五条のわがままに付き合わされる七海と伊地知、五条との付き合いはいちばん浅いはずなのに五条を特別視しない乙骨

なんか毎週トレンドに直哉くんいるし、次の巻が怖い 直哉くんもう死んだじゃん、何されたの?

恵がいないところで父親っぽいことをしていた甚爾を津美紀だけが覚えていて、あるいは恵が忘れてしまって、そういう束の間の温かい記憶を恵に伝える(思い出させる)前に津美紀は昏睡状態に入っただろうから、甚爾のなけなしの父親らしい振る舞いもわたしたちしか知らない

そういえば天元と六眼と星漿体の三位一体で世界を回しているのではないかと思っていたんだけど、そのへんまだ進展はないよね?

星漿体護衛任務の時、五条が事情をよくわかってなくて「お前は知ってるはずだろ」って顔をされたの、五条家の跡取りなのにまじめに授業や親の話を聞いていない不真面目さの描写だと思ってたんだけど、あえて家で教えなかった可能性とかある?

乙骨がいくら五条を人間扱いしても五条は人間にはならないところが二人の関係性のポイント
五条がもう一回夏油の姿をした何かを殺したところで別に傷ついたり、まして壊れることもないけれど、それをわかった上で「でも先生にそれはやらせない」って乙骨は言うんだろう

20巻読んで乙骨の「先生に二度も親友を殺させない」の一言で既に数千字ツイートしたしまだまだツイートするだろう自分の幻覚を見る力が強すぎる 止まらねえ

乙骨は普通の家庭出身だからいい意味で五条の特別さを重視しないところがあるのかな
夏油と違って適切な指導者がいたから変に捻じ曲がったりしなくて、そういう意味では一見してちゃらんぽらんで教師にふさわしくない五条は呪術師を育成する側として最低限の要素は満たしている

虎杖はまだ成長過程にあるからね

五条は良くも悪くも雑で、それが裏目に出たのが夏油だし、いい方向に転がったのが乙骨(と虎杖)な気もする
五条が反省を活かして自分の雑さをより良い方向へ向けられるように努力したのかもしれない

虎杖は伏黒、釘崎との共犯関係の方が強く出ている印象がある

虎杖はおじいちゃんがいるからな 偏屈で無愛想だけど孫への愛は疑いようがないおじいちゃんが
その点、乙骨にとっての大人は五条がメインなので

乙骨はあれ、完全に親から匙を投げられてるでしょ

乙骨もけっこう雑な性格ので、最強を冠するキャラクターの性格付けに近づいている印象もある
強大な力を持つ者は瑣末なことを気にかけないというか、かけていると進まないからあえて目に入れないところもあるし

無自覚に煽るようなことを言うのって、自分の言葉が相手にどう受け止められるかどうでもいいから、相手がどんな反応をしても自分に影響がないと思っているからで、反対に煽るようなことを言うと強く見えることもある

麗美ちゃん、若く美しいから近づいてくる男たち(狼さん)にぜーんぶなんとかしてもらって無自覚にギリギリのラインを生きてきて、それで生きてこられてしまったから他の手段が一切見えず、若さを失った後も想像できない頭の鈍さや福祉の手が届かない様子がとてもリアルで上手い 伏黒家とよく似ている

呪術廻戦、福祉・行政の手からこぼれ落ちる家庭や少年少女の追いつめられてゆくさまの描写がすごくリアルで好き 里香ちゃんに始まり、大人が欠如した伏黒家、スクールカウンセラー不在で精神を壊す夏油
たぶん作者も好きでしょこの要素

主題じゃないから作中で解決策を示すまではいかないにせよ、それも問題であると提示しているところがいいなって思う ジャンプ作品ではごく当たり前に行われる、学生(未成年)を前線に立たせることへの反省というか、わたしも楽しんできたけれどやっぱりおかしいんじゃない?って思ってきたことだから

五条悟が夏油傑(だったもの)の姿を見て、バグみたいに一瞬だけ動きが止まったのを乙骨は見ていないはずなのに その一瞬だけ本物の人間みたいに感情を呼び起こされた五条を、その一瞬が致命的だったのを知らないはずなのに

「乙骨憂太は君にはなれないよ」でいいんだよね、五条悟は一人で完結し一人で何でもできるけど、それじゃだめだって夏油傑が命をかけて証明したんだから

硝子が禁煙したのは普通に考えて歌姫先輩のおかげだと思うんだけど、一方で五条がやかましく硝子の前で何度もやだ~硝子長生きして~僕を置いて先に死なないで~とか駄々を捏ねててほしい気持ちもある
お前が先に死ねくらい言われそうだな、歌姫に

五条はノブレス・オブリージュ的な完全なる義務感で無関係な人間への被害を最小限に止める努力をするタイプだけど、乙骨はちゃんと巻き込まれる人を守らなきゃ!ってタイプで、この違いは乙骨には自分が弱くて守ってもらっていた時があったからだと思ってる

でも乙骨も着々と五条側に近づいていて、今後はその弱さをどこまで持った
ままでいられるのか?にもなりそう
いや元主人公として大丈夫とは思いますけどね?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

inserted by FC2 system