スザクが実の父以上に懐いていた藤堂が桐原から寄越された枢木への監視役という設定が小説の方に出ているんだけど、これに関してもたぶんなかったことにされたんだろうな…
なかったことにされた方がスザクにとっては幸せだが…

小説版はゲンブが明らかに息子に興味がないし「出来が悪い」と評しているので枢木家の当主に向かない性質なのもわかってたと思うんだよね ついでに神楽耶は存在を消されているので、本気でスザクの生育環境を心配するレベル

ルルーシュは母親の身分が低い上に母を失い後ろ盾もないので、ひどい環境にいるのに納得はいくんだけど、スザクはそれでいいのか?って感じ 一人息子でしょ

ユフィに救われたスザクがルルーシュを救うのがわたしに考えられるコードギアス・ハッピーエンドルートなんですけど、これの主人公はスザクの方になるし、そもそも正統派主人公要素をスザクに付与して立場をひっくり返したのがギアスなので、バッドエンドなのは自明の理ですね

クロヴィスを殺したルルーシュを許すユフィ、そのユフィを殺されてもルルーシュを憎みきれないスザクには正統派主人公陣営の名残が見えるな

テレビアニメではスザクと心中してC.C.は放り投げられ、復活でC.C.とハピエンすると今度はスザクが一人で取り残されて両方いい感じのエンディングが無理なので、ギアスはだいたいギャルゲー

どの世界線でも死ぬゲンブとクロヴィス、ルルーシュとスザクに肉親を殺す業を背負わせるという役割が強すぎる

復活がどんな終わり方だったら納得がいったかというと、C.C.がルルーシュに看取られて満足げに微笑んで死ぬのがよかったんじゃないかと思う そうすれば表舞台はスザク、裏ではルルーシュが世界のために個を捨て幸福を捨てて贖罪として奉仕する構図が維持される

「君がいない世界は思ったより孤独だった」とたった一人だけの友達に言われたのに、ルルーシュがスザクに応えなかったのがよくない 彼女ができたら友達は捨てるみたいな振る舞いをルルーシュにさせたのがね…

理由があれば死んでもいいと言うと言葉は悪いけど、せめてフィクションではそうあってほしいというか 無関係のモブが特になんの意味もなく死ぬのがだめなんだよ

反逆のルルーシュの感想纏めとしてスザクとルルーシュとユフィについてnoteを書いているんだけど、途中で虚無な気持ちになって中断した
あのラストはとても美しいバッドエンドだったと思っているんですけど、モブがいくら死んでもいいと思っている脚本だったことについてはどうしても無理なんですよね…心痛めてたのスザクだけじゃん…
トウキョウ租界が吹っ飛ばされたところまではまだついて行けてたけど、ペンドラゴンが更地になったところでだいぶ呆気にとられたし、フレイヤを撃ちまくるのとかね、モブをなんだと思って…?ってなったし、そういうところは徹底的に噛み合わない
大人になりすぎたので、作中の政治がいい加減すぎるのが気になっちゃう 奴隷をいきなり解放しても、教育を受けていないから今までと同じ生活を続けてしまうってアメリカが実証してるもの、貴族制の強引な廃止ってそんなに良策ではないよね
悪逆皇帝ルルーシュの善行として描写されたことがそんなに善行に感じなくて、そこのところちょっと脚本が上手くいってない

スザクがユフィを恋愛的な意味で好きだったとは思わないが(そう思うには自己肯定感がまだ低すぎた)、イレヴンを始めとして植民地を懐柔するのにあまりにも都合がいい組み合わせだから、特区日本が成立したならシュナイゼルがこっそり外堀を埋めていたんじゃないかと思う

ギルフォードがロススト主人公に紅茶を入れてくれたんだが、お前はまさかコーネリアにも紅茶を入れて…?

カワグチ湖の時の服装でミレイとシャーリーがいるんだからユフィも実装しよう?

スザクが騎士としての振る舞いをどこで身につけたのか地味にずっと気になってる 先輩の専任騎士ギルフォードが教えてくれたんですか?

ユフィと政略結婚させられるスザクもどこかの世界線に存在してそうというかこれはナイトメアオブナナリー

なんで反逆のルルーシュの感想がはかどらないって、あの作品はシチュエーション重視でストーリーの整合性は比重が軽くて人格がシーンによってぶれているところがあるからだよ あと描写不足で(ロボに尺を取られてる)人によって解釈がぶれるやつ

ルルーシュが死んだことで手打ちになった数々の悪行がルルーシュの復活によってひっくり返されたあげく、それらの責任には言及せずにスザクに背負わされ、スザクごとストーリーから切り離されたのに納得が行くことはきっとない

R2は割とずっと「ルルーシュのここが好き」と「ルルーシュのここが嫌い」で反復横跳びしていたところがあって、でもルルーシュ死んじゃったからもういいかなって思ってたから

個人に課される最も重い刑が死刑だから、ルルーシュが自ら選んだことの意思を尊重してやりたかった気持ちに嘘はない でもそれを「C.C.が勝手に生き返らせたからルルーシュに非はない」とするにはルルーシュが為した悪行が大きすぎる
つまりは制作側が考える「これくらいやればルルーシュの悪行は許されるだろう」とわたしの倫理観としての「この悪行に対して必要とされる償いはこれでは到底足りない」が見事に衝突してしまったわけですよ

何にも執着できないシュナイゼルもけっこう可哀想なところはあるけど、本人が優秀で立ち回りが上手いから傍目には満たされているように見えるのと、幸せを感じない代わりに不幸せも感じないからあんまり可哀想に見えない

スザク、あれだけの目に遭ってもまだ人を信じる心があって、信じた分だけルルーシュに裏切られて、そのたびに怒って、人であってはならなくなっても人としての感情が生きているのはさぞ辛かろう

復活を見て、ルルーシュよりスザクの境遇の方がましだと感じるのはなかなかにアクロバティックな解釈よね

スザルルじゃなくてスザユフィを推してる(ルルCと両立できる)のになんで絡まれたんだろうと思ったが、例の人はスザクとルルーシュを対として扱うと突撃してくるのかな スザクが出てくるとC.C.の出番が減る構図なのとルルーシュがC.C.を選ばれずスザクと心中エンドしたのが気に入らないのかも

ルルーシュの側に女性キャラを何人も配置されて、それぞれ実妹や義妹、共犯者、忠実な部下、事情を知っている先輩、片想いされている女の子、信頼のおける使用人とよりどりみどりなのに対して、同性の友達ポジションはスザクだけだからね

第一話を見てC.C.と一緒にブリタニアをぶっ壊す話だと思ったら、第二話からC.C.が消えてかわりにスザクがログインしてきたので、ルルーシュくんは誰ルートに進むつもりなんですか!?!と思ってた

1期前半の、目を離すとすぐに死にたがるスザクやばかったな 言ってることも正しいようでなんか薄っぺらくてめちゃくちゃ精神状態を心配した

最初の頃のスザク、ぽやぽや天然キャラしながら、正論を振りかざしているというより正しいことをなさなければならないという強迫観念じみた不穏な気配も同時に感じてよかったね

ギアスをリアタイしてた人と話してて、あれがセカイ系の一種であると復活まで見て気づいたけど、最初からわかっててその心づもりで見ていれば、あちこちの設定に違和感を覚えて躓くこともなかったな 気づくのが遅すぎた

「世界を壊す」といいながらその実、ルルーシュの世界は自分の半径数十メートルに留まっていて、スザクが言う「世界を変える」の世界と微妙にすれ違っているような感じもあって、こいつらそういう意味でもちっとも噛み合ってないな…?ってなったし

ルルーシュが己の大切な人を腕の中の安全圏に囲いたがって赤の他人には冷酷なタイプなのに対して、スザクが過去の過ちにより自分のためには行動できないという縛りが生じているせいで、優先順位付けもぐちゃぐちゃ、自分を粗末に扱うせいで自分を大切に思っている人間のことさえ無視してしまう

物語の最初に出てきた世界地図は実のところルルーシュにとってさして意味はなく、だから政治経済教育の描写もおろそかに済まされていて、ルルーシュの視点がほとんどなかった小説版がそのあたりをめちゃくちゃ補足しているのは、ルルーシュ視点ではセカイ系的物語になることをわかってたんだな

スザクからは割とノブレス・オブリージュ的な傲慢さを感じたけど、ルルーシュの傲慢さは自分が最も優秀だから他人に従えられるのが大嫌い、みたいな強烈な自意識の表出のような印象

ルルーシュくんは廃嫡されたせいなのか全然ノブレス・オブリージュではない

自分に価値を感じないからと捨て身で戦うのは、自分を大切に思ってくれている人(=自分にとって大切な人)の存在を軽んじていることになる、というのは伏黒恵でも感じた
自分の命を軽んじているような手合いのキャラに対しては強引に好意を押しつけて「私のために死なないでくれ」と言わなければならなくて、そこのところユフィは成功してルルーシュは失敗したんだよなあ

自分のために行動できないから「生きろ」と命じられても己の心情と深刻な衝突を起こすだけで、必要なのはそれが他人のためになるという理由付け
「俺のために死なないでくれ」とルルーシュが言えたなら和解ルートはあったかもしれない 血染めのユフィの件と並んでルルーシュのだいぶ重大な失言

「すべての憎しみを集める」で世界規模で悪行を働くことでそれを実行しようとしていたのが果てしなく疑問だったんだよね、顔もよく知らないルルーシュをどうやって憎むんだ?モブに意思はないのか?って そこでこそギアスの力を使えばよかったのに
セカイ系であるという前提があれば、主人公の行動が世界の行く末と直結しているのもそういう話なので、で終わったことなので、復活まで全部見てようやく気づいたのが遅すぎた

ルルーシュの最期のギアスは超常の力でもなんでもなく、スザクに託されたただの身勝手な願いであり呪いであるのが美しいバッドエンドなのは異論はないです

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