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 月曜日、夕方

 まだ日の沈み切らないうちからにぎわう酒場。今日一日の労働から解放された人々が吸い寄せられるように店に入っていく。
 実井はロンドン市内のパブにいた。立ち飲み客が多いが、奥にはテーブル席もある。
 ロンドンのあちらこちらには、地酒を出すパブがある。人の出入りが激しく、密会するにはちょうどいい場所だ。
 カウンターの付近に立っていた実井の後ろを、ひとりの客が通り過ぎた。
 彼はエールを一杯注文した。受け取ってまた実井の後ろを通ったその時、彼が椅子にぶつかってよろめいた。エールが少しだけこぼれて、実井の鞄を濡らした。
「おっと、すみません」
「いえ、大丈夫ですよ」
 実井は微笑んでそう言ったが、男は恐縮したようにハンカチで実井の鞄をぬぐった。
 何回も謝りながら、男は奥のテーブル席へ歩き去った。途中でまた椅子や人にぶつかりながら歩いていく。既に酔っているような足取りだ。
 案の定、ぶつかるたびに他の客から怒鳴られ、そのたびに謝っている。
 実井はジョッキを下ろし、自然な動作で鞄を開いた。
 ――中には、先ほどまではなかった紙が差し込まれている。
 情報交換が無事行われたことを確認し、実井は再びジョッキに口をつけた。
 先ほどぶつかってきた男は、田崎の変装だ。
 ぶつかった拍子にわざと飲み物をこぼし、鞄に触る。その瞬間、周りに気づかれないよう素早く紙を滑り込ませる。
 騒がしい店の中では、ひとり静かに飲んでいる実井の姿は目立たない。さらに、田崎があえて人目を引く行動をすることで、実井から注意をそらす。
 D機関で訓練を受ければ、これくらいのことは造作もない。
 田崎からの情報は、エマの誘拐の件についてだった。英国諜報部の監視にあたっている田崎は、姿を消したひとりを追っていた。
 諜報部の動向については田崎に一任している。余計な情報は知らない方がいい。
 実井の役割は、田崎の情報に従ってワトキンソンの接触する相手、および場所を絞ること。知らなければ誰かに漏れる恐れもない。
 実井はつまみに手を伸ばした。
 客はどんどん増えていく。比例して背後の喧噪も大きくなっていく。仕事を終えた一杯といったところだろう。こういう部分は、国が違えども変わらない。
 エールを飲み干し、混み合う店内をすり抜けるように、実井は店を後にした。

 帰宅する前には、必ず尾行を確認する。
 背後には誰もいない。ただ、監視が近くにいるとは限らない。
 実井は人ごみに紛れるように、駅へ向かった。駅前でタクシーを拾い、数駅先まで乗る。そこから地下鉄に乗り、混雑に押しつぶされそうになりながら数駅を過ごす。最寄りではない駅で降りてバスに乗り、バス停からさらに歩く。
 本来の数倍の時間をかけてたどりついた場所に、ロンドンにおける臨時拠点があった。
 ロンドン市内のアパートメントの一室だ。波多野、実井、福本の三人で使用している。
 三人で同じ場所に滞在するのは目立つため、寝場所は別に確保している。波多野は会社の用意したホテル住まいだろう。
 田崎はどこか別に拠点を確保しており、この部屋には来ない。連絡も、電報か伝書鳩を使っている。万が一、MI5に嗅ぎつけられても被害を最小限に抑えるべく、可能な限り接触を避けているのだ。
 実井は部屋を見上げた。
 窓際に配置された机の上に本が置いてある。本が閉じて置かれていれば異常なし。開いていたら異常あり。
 幸いにも、今日も本は閉じて机の上に置かれている。
 先に帰った者が侵入者、盗聴器の有無を確認して合図する決まりだ。
 もちろん、これだけではない。ドアを開けてすぐの位置の床には、わざと煙草を一本置いている。煙草の位置が動いていたり、踏みつぶされたりしていれば、侵入者がいたことを示す。一見、乱雑に置かれた本や書類は一定の法則で配置されており、動かされればすぐにわかる。引き出しに入った偽の書類には、タルカムパウダーを振り掛けてある。さわればパウダーが取れるので、誰かが探りに来たことがすぐにわかる。
 部屋を借りた時から周到に用意した侵入者対策だが、今のところ誰も侵入してきてはいない。とはいえ、油断は禁物だ。今は敵地にいる。常に監視されているものと思わなければならない。
 誰にも注目されないよう気を払いながら、実井はアパートに入った。

 ドアを開けると、波多野と福本は先に帰っていた。
 波多野はソファに寝転んで本を読んでいる。英語の本だ。
 福本はキッチンにいる。割烹着(わざわざ日本から持ってきた)を身に着けた背が振り向いた。
「おかえり」
「……ただいま」
 少し、恥ずかしい。
 くすぐったいような気持ちになった。自分の素性を知っている者が帰りを待っていることには、慣れていない。
 潜入した先とは違い、今ここにいるのは、いわば〝仲間〟だ。通常はひとりで孤独な戦いに身を投じるのだが、同じ訓練を受けた仲の、味方とわかっている〝仲間〟がいる状態を、どう言い表せばいいのだろう。
 福本が割烹着を着ているのも大きい。まるで〝お母さん〟のようだ。
 視界の端で、波多野が身を起こした。
「実井、顔が赤い」
「そう?」
 そのまま波多野は実井に近づき、すん、と子犬のように鼻を鳴らした。
「酒のにおいもする。パブにでも行ってきた?」
「そんなところ」
 実井は波多野が片手に持っている本を見た。なんでも観察するのは、もはや体に染みついた習性だ。
 波多野が手にしていたのは、ジェーン・オースティンの『分別と多感』。イギリス文学の古典的作品であり、英文法の発達においても重要な作品だ。当時の金銭的事情も詳しく書かれ、資料としての価値も高い。
 書生をしていた経歴もあり、世界の名作はあらすじくらい把握しているが、すべての原書を読んだことがあるわけではない。ただ、女性と結婚を主題とした話は、少々単調だったと記憶している。
「なんでオースティンなんです?」
「たまたま帰りに古本屋で見つけたんだよ」
「それ、面白いんですか?」
「いや、全然」
「ならなんで読んでいるんです」
「なんでだろう」
 波多野が首をかしげた。
「僕に聞かないでください」
「まあでも……ブランドン大佐が年寄り扱いされるなら、結城中佐は白骨死体だな」
「中佐に殺されても知りませんよ」
 いや、と実井は言い直した。
 常日頃から死ぬな、殺すな、と繰り返していた結城中佐は、冗談でもそのようなことを言わないだろう。
「殺されたほうがましな訓練をまた受けたいんですか?」
「……さすがにそれは勘弁してほしい」
 波多野は目をそらした。

 読書に戻った波多野と話を切り上げ、実井は洗面所で手を洗った。顔をあげて鏡を見る。白い頬にかすかに赤みがさしていた。服にも酒のにおいが少し移っている。
 ダイニングに戻り、実井はキッチンに立っている福本に近づいた。
「今日の夕食は?」
「シェパーズパイ。付け合せにゆでた野菜」
 料理する手を止めずに、福本は答えた。慣れた手つきで食材を扱う、料理人のような包丁さばき――そういえば、福本は料理人をしていたのだった。今更ながら、その事実を実井は思い出した。
 スパイでなければ本当に料理人になっていたのではないかと思わせるほど、福本は料理が得意だった。あるいは、それが結城中佐から与えられたプロフィールだったのかもしれない。だが、本人も料理は嫌いではないようで、こうして本物の料理人になってしまった。
 ――与えた偽のプロフィールが本物になったことに、結城中佐は驚いただろうか。
 考えても詮のないことだ。〝魔王〟の本心は誰にもわからない。
 実井は今晩の夕食に目を向けた。
 料理は盛り付けの段階に入っていた。牛挽肉の上につぶしたジャガイモ。鮮やかな赤いニンジンと緑のグリンピースが彩りを添えている。味付けはイギリスの習慣に従い、各自が好みでする。ケチャップとブラウンソースが用意されていた。
「わあ。おいしそうですね」
 実井の率直な言葉に、福本は口元を緩めた。
「せっかくだから現地のものを食べないと」
「もう何品も料理を覚えたでしょう」
「東京に帰ったら店で出したい」
「食べに行きますね」
「そんなんだからエマに〝料理長〟なんて呼ばれるんだよ」
 波多野が呆れたように言った。
 エマのもとを訪れるたびに手料理をふるまう福本には、エマから〝料理長〟というあだ名が贈られた。時折、〝イタマエさん〟などとも呼ばれている。
〝料理長〟はともかく、〝板前〟などという言葉を知っている(理解しているわけではない)のは少々驚いた。
 どこでそんな日本語を覚えてきたのか、考えるまでもない。甘利が入れ知恵したのだろう。でなければ、エマがそんな日本語を知っているはずがない。日本語が話せないはずのエマは、周囲の影響か変な日本語ばかり覚えてくる。そして、それをかわいらしいとも思っているせいで誰も止めない。
「俺は別に構わない。今は料理人だしな」
「……あっそ」
 実井は薄笑いを浮かべ、波多野を見やった。
「そういえば波多野は――〝ゼロ〟でしたっけ?」
「その名前で呼ぶな」
 波多野は顔をしかめた。
「自分のあだ名が不満?」
「べっつにー」
「ゼロファイターのゼロでしょ」
「徹底的な軽量化を図った、格闘戦に優れた機体だろう」
 福本も料理の手を止め、波多野を振り返った。
「なんか複雑……」
「なんだ、海軍から取られたのが嫌?」
 実井はわざとらしくそう尋ねた。
「まさか。別に陸軍に忠誠を誓ったわけじゃないし」
 波多野が気にしているのはそこではないのをわかったうえで、実井は聞いた。意地の悪い質問をしている自覚はある。
 旧日本海軍の主力戦闘機・零式艦上戦闘機、通称・零戦。戦争初期には英米軍の追従を許さない、優れた機体だった。しかし、後継機の開発が思うように進まなかったこと、鹵獲後、米軍に徹底的に研究されたこと、また次々と米軍に新鋭戦闘機を作られてしまったことで、後半は劣勢に転じた。
 そんな機体にたとえられても、手放しでは喜べないだろう。
 軍部を賛美するような精神を、D機関に入学し、訓練を受けた者が持っているはずもない。
「小さいけど威力があるってことでしょう。よかったじゃないですか」
「それ、喧嘩売ってる? ていうか実井も言うほど背高くないだろ」
「波多野よりは背が高い」
「……どんぐりの背比べ」
 ぼそりと福本が口をはさむ。
「福本はちょっと黙ってて」
 波多野がじろりと睨みあげるが、福本は意に介さず夕食を作る手を再開した。
 その光景に、実井は懐かしさを覚えた。
 料理好きな福本の割烹着を着た背中、身長を気にする波多野。お互いの素性を一切知らないまま交わす、何気ない会話。知っているのは現在の職業、すなわち偽の経歴だ。今も昔も、お互いの本名、生来の性格、育った環境、家族構成――何ひとつ話していない。もちろん実井も、現在の本当の職業を明かしていない。
 世界中に散り散りになって諜報活動にいそしんでいた彼らと、こうして再び集まる日が来るとは思っていなかった。
 戦争が終わって何人か欠けてしまったが、こうしてD機関で訓練を受けていた頃を思い出させるような、穏やかな振る舞いができる。
 素性を明かさないまま過ごす、奇妙な日々だった。誰もが誰かを演じているのに、表面上は平穏きわまりない訓練生時代。当時の日本において異質すぎた彼らの、一種の青春だったかもしれない。
 十数年経ったのに、その間――激動の時代を駆け抜け、今もなお社会が目まぐるしく変わっていることを感じさせないほど、あの頃と似ている。
 それを、実井は素直に嬉しいと思った。

 福本の食事は、相変わらず美味しかった。
 ロンドンにあるまじき美味しい食事である――さすがは福本、〝料理長〟としての面目躍如だ。
 そもそも素材が悪いわけではない。気候のせいか、根菜が多めなのは仕方がない。それよりも、食事に対する考え方というか、一日三食しっかり摂る気がないせいだと実井は推測している。食というものにこだわりがないのだろう。
 夕食を終えたところで、作戦会議を始めた。
「まず、報告といきましょう」
 波多野がレコードを蓄音機に乗せた。万が一、盗聴器が仕掛けられていても話し声が聞こえないように、大きめの音量で音楽を流す。
 実井は福本と目くばせした。
「僕たちは、ワトキンソンの接触場所と思われるところを偵察してきました」
「ロンドン市内で接触する予定のようだ。これがその候補」
 福本が地図を差し出した。候補地点に赤く丸印をつける。
「ロンドンなら、人が多いからかえって目立たないな」
 実井はうなずいた。地図にさらに丸印を加える。
「飛崎がワトキンソンと同じ船で来るようなので、合流すれば問題ないでしょう。船から降りる客を監視すれば、ワトキンソンはすぐ見つかるはず」
「まあ、その件はもともと大した任務でもないし」
 スパイの疑いがかかった人物を、ほぼ確証を持って特定できているのだ。それほど困難な任務ではない。これを足掛かりに、D機関の再結成およびスパイ網の構築が本当の目的だ。そちらはつつがなく進んでいる。
 問題は、エマの件だった。
「そっちは?」
 実井に話を振られた波多野は首を振った。
「異常なし。英国政府としては、日本に対する態度を悪化させたわけではなさそうだ。エマの件は、諜報部のひとりが先行した結果じゃないかと思っている」
「……やはりそうなるか」
「諜報部――MI5のしわざというのは確定ですか?」
「ああ。ほぼ間違いない。情報提供者がいるからな」
 エマの周囲には情報提供者を用意している。同じ学校に通う生徒だ。甘利の件もあるため、万一に備えてのことである。エマはそんなことはつゆ知らず、普通に生活している。
 少々過保護かもしれないが、甘利がD機関に所属していた過去が露見すれば、エマに何が起こるかわからない。あらゆる可能性を考慮した結果だ。
 甘利は仕事の都合上、英国国内に居続けることはできない。そうなれば、近くにエマの様子を知らせてくれる人が必要だ。
 もっとも、情報提供者本人には、エマの〝監視〟をしている意識はない。それとなく、エマの様子を知らせるよう仕向けているだけだ。提供者本人もダンフォード・カレッジの生徒――まだ子どもだ。本人も周囲も気づかないような形でなければならない。
「というか、その情報提供者のせいでエマが誘拐されたみたいなんだけど」
「どういうことです?」
「エマの手鏡から甘利のことに勘づいて、父親に報告したらしい」
 エマの通うパブリック・スクールは英国海軍の関係者ばかりだ。例に漏れず、その情報提供者の父親も海軍の高官である。そこからMI5へと情報が流れ、一部が過激な行動に出た、というわけらしい。
「せっかく用意した情報提供者が裏目に出ましたね」
「エマの様子を見てもらうつもりが、エマの秘密に気づいてしまった……」
 かなり痛い失敗だ。
 部屋が沈黙に包まれた。
「……まあ、今さらどうしようもないことです。今後のことを考えましょう」
 自分の気持ちを切り替えるように、実井はそう言った。
「そうだな」
 波多野がうなずき、二人の顔を見た。
「他に共有すべき情報は?」
「今日、田崎と接触しました」
 これです、と実井は田崎からの紙を開いて見せた。もちろん暗号で書かれている。
 波多野と福本が紙を覗き込む。
「エマはロンドン郊外の家に監禁されているそうです。ちょうど留守にしている家に勝手におじゃましたんでしょう。学校側にも偽の連絡が届いていて、騒ぎにはなっていません」
「まあ、そうだろうな」
 スコットランド・ヤードに通報されたらたまったものではない。
 いくら英国諜報部といえども、警察組織と縄張り争いなどという面倒くさいことは極力避けたいだろう。
 行方不明になったエマは、通報されたら間違いなく誘拐事件となる。
 エマの父親を捜査したい諜報部としては、警察に動かれては困る。
 協力すれば効率よく進むにも関わらず、それぞれの既得権益や馬鹿げているとしか思えない信念をめぐって対立する。組織の悲しい定めだ。
 かつての陸軍参謀本部とD機関のように。
「――僕からは、以上です」
 情報は出そろった。
 ワトキンソンと英国内のMI6の接触場所候補は絞られた。
 英国諜報部に大々的な動きは見られない。日英関係は現状維持。
 エマの監禁されている場所も判明している。
 そして、今ここには、人員が三人いる。
「さて、どうする?」
「エマの居場所を突き止めたのなら、まずは救出と行きたいところだが……」
 福本が言葉を切った。
「ワトキンソンの件もありますよ」
 実井が付け加える。
「そっちを疎かにしては本末転倒です」
 彼らはエマを助けるために、ここにいるのではない。エマの誘拐はたまたま起きたことであり、真の目的を見失ってはならない。
 あくまでも、国外に逃げたスパイを追って、彼らはここにいるのだ。
「飛崎の到着は明日だったか」
「ええ」
「二手に分かれるのは?」
 波多野が提案した。
「甘利のことがどう伝わっているかわからない以上、エマのほうも早く対処したほうがいいだろ」
 現時点で諜報部が動きを見せていないとしても、これ以上エマのことを探らせるわけにはいかない。甘利がこちら側のスパイであることは事実なのだ。
 あくまでも、先走ったひとりの誤解だったと信じ込ませなければならない。
「それならまず、飛崎と合流、機密文書を回収し、接触場所に待機しているMI6にワトキンソンを引き渡す」
 実井が言葉を引き取った。
「そして、もう一方がその間にエマを助けに行きましょう」
「ああ」
「問題は――誰が行くか」
 福本が表情の読めない顔で実井と波多野を見た。
 実井も波多野もすぐには答えない。この機を逃したら、しばらくエマには会えないだろう。今の日本は、自由に海外渡航できる状況ではない。
 エマが小さな子どもの時から、その成長を見てきた。血はつながっていなくとも、娘同前の存在だ。エマの前に姿を現すのは得策ではないが、顔を一目見るのでも大違いである。
 しばしの沈黙。水面下でお互いの腹を探りあう。
「――まあ、それは明日でいいでしょ」
 時間にして十数秒の沈黙を実井が破った。
「明日、ね」
 波多野が含みを持たせたように反芻した。
「今日はここで解散。明日に備えて休養しよう」
「そうですね」
「もう遅い。波多野は早く帰れ」
「貴様は俺の母親か」
 福本と波多野の軽口の応酬に、実井は少しだけ笑った。
「それじゃあ、いいな」
 福本がガスコンロに火をつける。
 実井と波多野はうなずいた。
 全員が地図を頭に叩き込んだのを確認し、福本は地図を燃やした。

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