上層部との折衝で不機嫌になった五条(傍目には普段と変わらない)にそっとお気に入りの菓子を差し入れる超有能な伊地知、五条にお礼代わりに書類を増やされて嘆き悲しみながら後輩の補助監督に「あんな人放っておけばいいんですよ」と言われるけど、書類に紛れてお返しの超高級な茶葉が入っている
それでちょっと許してしまう(というか最初から怒っているわけではない)伊地知に期待の新人な後輩が「そんなんだから仕事いっぱい増やされるんですよ」って割と辛辣に容赦なく言う

出会った時はやたらと背が高く体格がいいせいでサングラスに白髪頭の不審者な男が随分と大人に見えたけど、こいつ大人げないなと冷めた目で見ていたらふとした瞬間に年齢相応の若さを垣間見て、ああこいつもまだ大人じゃなかったんだなって、自分がある種の幻想を見ていたことに気づく伏黒恵
親も人間であり、完璧な存在ではないことに気づく瞬間こそが成長の証なわけだけど、ただの子どもであることを許されなかった伏黒が同じく子どもであることを許されなかった自分の庇護者の欠落に気づく瞬間はあると思います

鼻が利きすぎるせいで孔時雨の煙草を嫌がる甚爾と嫌がらせで煙草を吸う時雨はいる
伏黒甚爾と孔時雨のハードボイルド的な前日譚はいつまでも待ってる

夏油傑の実家を買い上げて当時のまま保管している五条悟がひらめいたが、たぶん奴はそういうことはしない でも永遠に黄色いテープ貼られてそうな気配はする

五条悟、ファムファタル的なあれではないけど、あまりに飛び抜けた異才なのにバグで人の姿をしているから同じ人間だと錯覚されて、存在しない共通点を探しては失敗していった周囲の人間が嫉妬や羨望やその他執着を煮詰めた感情で勝手に狂ってそう
というモブ視点シリーズの構想を立てている 書くかはわからない

父を嫌っていたのに自分の息子には父そっくりの振る舞いをして、息子に過去の自分を見出すやつが好きなので次はそういう話だよ

五条悟のクズさ加減を真面目に突き詰めたモブ視点シリーズとかいう高難易度のやつ もちろん全員、最後は狂う

届いた新刊読んでるけど、飛び抜けた力のある奴が社会の枠組みの中で人の顔をして生きていくために自分に規範を課し縛り付けておくのがいいんだよ

もっとこう、バトルじゃなくて、おどろおどろしい、人の感情をぐちゃぐゃにかき混ぜて煮詰めて作った煮凝りみたいな呪術的な話を読みたい
人ではなかったものが一時的に人のふりをして再び人ではないものに戻っても、人であった時間は消えないんだよ

五条と夏油もそうだけど、生きている限り関係は変わってゆくものだから、死んでしまえばその時点で関係は不変になって「完成」してしまうんだよね 終わった物語に先はない

妖言新刊のこだわりポイントは、話に合わせて本文のフォントを使い分けてるところ リュウミン、イワタ明朝体オールド、筑紫明朝体、筑紫明朝体オールドの4種類

ファンブック出る前に妄想していた五条悟の息子、たぶん家督を譲られてすぐの子どもなので20歳そこそこの時の子どもだしどこをどう取っても非人道的な匂いしかない
さんざん言ってることだけど、伏黒家に必要なのは行政と福祉であって五条悟ではない
追い詰められた夏油傑に必要だったのもメンタルケアであって、同い年の少年ではなかった

虎杖くんのまっすぐな人格には社会福祉の存在をほんのり感じる

必要なものを社会から受け取れないから孤立し追い詰められて社会から外れる、物語はそうして始まるわけですけど
ギアスは設定が大げさなんだけど、呪術はそのへん割とリアルさを感じるところが多い

実際、戦力としての五条悟は絶対的に必要でもメンタル的に五条悟は必要なのかと言えば、奴は人間ではないので逆効果だった気がする 本人もさすがに自覚して、というか自覚したから教師になったような気もする

タコピーとかね、まず役所に行こうか!?ってなる側面は否定できない

乙骨を引っ張り上げたのは同級生たちであったし、伏黒の心の闇を照らせるのは虎杖や釘崎であって決して五条ではないだろうし、五条をただの五条悟として求めて唯一無二と位置づけたのは夏油傑ただ一人だったのに、夏油が地獄の底で苦しみもがいていた時に必要とされたのはきっと五条悟ではなかった

弱さを知らない奴に寄り添うなんて真似はできないから、最強たる五条は手を伸ばして引っ張り上げてくれるところまで案内できてもその後は本人次第の一歩引いた傍観者的に見えるんだけど、青春が終わってしまったから、青春のただ中にいる学生たちとは同じ視点ではいられないという線引きもあるとは思う

日車が心神喪失という法的な根拠をもって虎杖に無罪だと言ってやるの、すごくいいよね。大量虐殺なんて大罪の前で感情面ではもう収集がつかないところへ蜘蛛の糸を垂らすような
というか本来、感情に区切りをつけさせるのが司法の裁きでもあるし

感情は本人が最優先されるからどう説得しても無理だし、別側面から視点を示してやるの、日車はとてもまともな大人だなあ

日車の術式が警察(証拠集め)、検察官(起訴)、裁判官(判決を下す)、刑の執行人という、罪に対して裁きを下す側の役割を全部ひとつにしているのを見て、法治国家とはこれらを細分化して切り離すことで人が人を裁く構図を解体し、法の下の平等が担保されているんだなって思った

夏油と同じように日車も人の弱さを見続けて失望したわけだけど、たぶん日車が人間への希望を捨てるまでそこそこ時間があったのはそれなりに大人だったのもあると思う

夏油の術式の最大の欠点って呪霊の味が想像を絶するほど不味かった点にあるんじゃないかなと思う 原初の呪術の姿を留めた強大な術式の反動として、己に降りかかる理不尽に耐えられなかった

日車には肉体的なダメージがないんだよ、どれだけ人の醜さを見たとしても むしろ弁護士として社会的地位は高くて、醜さに直面し続けることのプラスの報いを得られているんだよね、夏油にはなかった「感謝」を
だからそれが覆った瞬間、日車も折れる

夏油がぽっきり折れたの、苦痛に見合った報いがなかったから

「保身のために目を瞑る人々の中で、縋りついてきた手を振り払わないために自分だけは目を開けておきたい」と言った日車の術式、天秤を持つ仮面の両目が縫いつけられていて、日車も本当は目を閉じたい瞬間があったのか、法では裁けない事件を裁くために目を閉ざすことにしたのか

大人がちゃんとしている(端役でも構わない)話はいいよね

日車の術式が本人を対象として発動できないとすれば、自分が裁きの対象から外れているという「不正」に目を瞑って他者に裁きを下すから、術式の仮面の目が縫い止められているのかもしれない
弁護士も警察官も検察官も裁判官も執行人も罪を犯せば相当の罰が下るのに、日車だけが例外なのは卑怯だもの

死滅回游で自らの意思で人を殺した伏黒がようやく虎杖・釘崎と同じ位置に立っても、虎杖と釘崎は伏黒が人を殺したことを知らないし、人を殺した伏黒も、虎杖と釘崎が自らの意思で人を殺したことを知らない(宿儺はカウント外)

宿儺が虎杖の身体を乗っ取って大量虐殺したことを伏黒も自分の責任だって言ってたあたりで伏黒はあんまり心を痛めていないように見えたし、むしろその「罪」を引き受けようとする虎杖のために言ってやったわけで、伏黒は人の命や価値に明確に順位をつけるんだよなあと思った

伏黒は自分が親に価値をつけられ、順位が低いから捨てられたと思っているから、親にされたことをそのまま他者に対して行っていると思うんだよね

伏黒は人を殺したことについて津美紀を言い訳にしないあたりが潔いし、津美紀とその他赤の他人を天秤に乗せて迷わないんだよね。だからこそ、この先で津美紀と殺し合いをしてほしい。自分の命と津美紀の命と、津美紀に殺人を犯させることを天秤にかけてほしい

伏黒が自分を卑下していたのは甚爾に捨てられたから自分に価値がないと思っていたんだろうけど、それが親から愛情を受け取れなかった甚爾の精一杯の愛だったことを伏黒恵は知らないのは結局は虐待の連鎖だよなあ
親からから愛情を与えられなかった甚爾は恵に愛情を示せなくて、親から愛情を受け取れなかった恵は捻くれて醒めてて自分の価値を低く見積もって、それとは逆に津美紀をある種神聖視していた

甚爾の真意が明かされる日って来るのか 明かされないのは恵の精神的成長を妨げるような気がするけど

夏油が自分の残穢を綺麗さっぱり消す手段があるのか知らないし、ミミナナの村で虐殺したのは衝動的な行為だったと思うけど、わざと追跡できるように残していたのであれば、それは夏油の「助けを求める声」で、捕まえるとか殺すとか頭になくただ会いに来た五条へお別れを言うためだったのでしょう

一度でいいから手ひどく五条悟を傷つけてみたかった夏油傑はいるかもしれない

新宿の雑踏で五条に見つかる夏油、最後に親友へお別れを言いに来たのと同時に、もう同じ道を歩めないことを、同じ風景を見られないことを再確認して諦めるための儀式だったんじゃないかと思う
いまだかつてないほど気の合う友人を生涯ただ一人の親友にするための儀式
一縷の望みをかけて助けを求めて、でも望むものを得られないことを知って、想定通りなのに勝手に傷ついて、だから手ひどく傷つける、君が私を傷つけたのだと眼前に突きつけるために

本当に伏黒が人を殺してしまったわけだけど、それを津美紀に知られて自分のせいかと気に病んでも「津美紀のせいじゃない、俺が俺の意思で殺したんだ」って主張するよね、絶対 再会した時の津美紀がまともなら
伏黒(たち)が間に合わなくて津美紀が人を殺してしまった場合、人を殺して善人でなくなった津美紀を伏黒は果たして許すことができるのかと考えると、「俺だって生き残るために人を殺したんだ、津美紀は悪くない」と言いそう、虎杖にだってそう言ったんだから

もしかしたら殺さなくてもいいかもしれなかったけど、殺すのが最も楽で効率がよく、他の手段が厳しい場合、殺す選択を取れるのが伏黒恵

伏黒は自分のためには言い訳しないで自分を悪人だと思うけど、自分の大切な人のためならいくらでも言い訳を用意してやれるよね、お前は本当は善人なんだ、俺は知っているんだって

昔から作中で展開されるゲームにはついていけなくなって雰囲気で読んでたから、死滅回游も伏黒に負荷をかける目的で開催されてるのかなって雰囲気で読んでる

五条悟の最初に受け持った生徒が見たいんだけど、全員死んでそうだな
初めて生徒に死なれたのに別に涙は出なくて、真面目くさった顔で生徒の家で線香あげたりして、乾いた瞳のまま高専に戻って事務処理をして、どう教えれば彼らは生き残れたのかと考えている自分に気づいてほしい
生徒が死ぬ際に巻き込まれた術式でループしながら生徒を死なせ続ける五条先生を一瞬考えたけど、それだったら夏油と新宿で無限に会って別れて同じ結末を繰り返すな

夏油も五条も作中で泣くシーンはなかったよね?
夏油は涙も乾きはてた地獄にいて、五条は涙を流す機能が欠けていそう

成人男性並みの体格のよさを誇る五条と夏油なら高専時代でも酒を買ってこれそうだなと思ったけど、じゃあ年齢相応の外見の少女でしかない硝子ってどうやってタバコ買ってるの? 五条か夏油を使いっ走りさせてるの?

日車さんって今後、再登場するのかな
呪術師の家系に生まれたなら呪術師になるのが当然という価値観なのでさほど苦しまないけど、一般家庭出身だと「正しさ」が揺らぐんだよね ただでさえ今までと違う常識の支配する場所に飛び込むのに、更に負荷をかけられたら末路はおのずと知れる

法律とは社会全体で共有している明文化された「正しさ」で、人に対して制定された法律ではカバーできない呪霊と戦う呪術師にとってはその正しさは無価値だから、己の内に正しさの拠り所を作らなければならない

同じような挫折を経験しながら違う結論を出す日車と夏油の分水嶺は、キャリアのスタートが成人していたか否かとキャリアに対する社会的地位の有無だと思ってるけど、更に言えば「正しさ」の根拠にもあるのかもしれない

あまり明確に出てこないけど、一般家庭出身者は家系枠から差別されているのではないかと思っていて(呪術高専は御三家以外の人間を呪術師に育てるところなので差別意識は薄い環境)、一般家庭出身者は精神的基盤が脆弱で折れやすいからと差別が加速していたりするんじゃないかな

呪術師が相対するのって、まさに法律などなかった頃の原始的な感情そのものなんだよね

ジャンプでは暗黙の了解である「10代の少年少女が大人と同等に、時として大人の代わりに最前線で戦う」ことについて、それが作中では当然であると示しながらも読者の生きる現実においては不健全であるという認識も無視しないあたりのバランスが芥見下々とは気が合うなと勝手に思ってます

ギアス見てたら余計にそう思った(ギアスが悪いという意味ではない)

呪術のこと名前しか知らない同期もくだんのトレパク冤罪騒動を知っていてnoteも読んでいたので、影響力すごいなあと改めて思った

五条と夏油はお話ができなかったがゆえにこじれて殺し合う羽目になったんだよって軽く説明したら、そんな話を読んで創作活動するほど好きなのになんで話できなくてあんな騒動になったの?って言われて耳が痛いやつ~

対話が大事なのは別に五条、夏油の二人の物語だけではなくて、その手の物語には事欠かないし普遍的テーマなんだけど、だからこそ難しいんだよね 現実の人間関係において対話が難しいからこそ物語になるんだから

鎌倉殿だって、頼朝が対話を拒否して義経と仲違い殺し合いまっしぐらだし…

対話の欠点は、片方がテーブルにつくのを拒否したらどうにもならないところ

甚爾と恵は虐待(ネグレクト)の連鎖なんだけど、この分野には明るくないので続きを書くためには図書館行かないといけなくて、なかなか手がつけられない

甚爾と恵の関係は終わってしまったけど、じゃあ津美紀と甚爾は何だったんだろうって思うんだよね

津美紀の母親は一体何だったのかを考えて、たしか甚爾のnoteは行き詰まった

甚爾がただ恵の世話役欲しさに適当に再婚したのか、それとも津美紀の母親は恵の母親とどこか似ていたから惹かれたのかで話がだいぶ違う

津美紀の母親からな、里香ちゃんに付与されていた、呪霊とか直接関係のない泥沼人間関係だとか福祉の隙間に落ちてしまった人間の末路だとか、そういう気配がするんだよね

甚爾は禪院の家の中では呪力ゼロの弱者で、外の世界では身体的な強さが圧倒的で強者のねじれ構造だけど、そういえば禪院家では男に生まれた時点でまず強者だったね

小さい頃の直哉くんが甚爾にちょっと懐いているっぽかったのは割とかわいいんだけど、同時に直哉は幼い頃からクズの素養があったなと思う あれ、どんなに甚爾が強くても跡目争いに参加する資格が皆無なのを知ってて、安心して懐いていたでしょ

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