8巻巻頭あらすじ「仰ぐ旗を喪った者たち」章タイトル「魔術師、還らず」ってヤンが死ぬの隠す気ゼロじゃん

忙しい仕事の合間をぬって帰宅したキャゼルヌが娘二人にまとわりつかれながら妻の入れた紅茶を飲んでいるうちに寝落ちする姿が見たいです

ヤンの元にユリアンを連れて行く話をちゃんと妻に相談していたキャゼルヌ、めちゃくちゃ夫婦仲いいじゃないか
キャゼルヌの毒舌は親しみの現れではないかと思ってきたけど、キャゼルヌ夫人もそんな雰囲気を感じる

ラインハルトが逃げたヤンたちとわざわざ親征してまで戦う必要は戦略的には必要性が薄いかもしれないけど、皇位を簒奪した立場である以上、民衆への求心力を永劫揺らがぬものにするには必要な気もする
常勝であることを永遠にするには敵をすべて倒し尽くさないといけないし、それを成し遂げればラインハルトは神話になれる

同期に銀英伝8巻まで来た、そろそろヤンが死ぬと報告したら、どうやって死ぬか教えてね!とうきうきしながら言われた

7巻からヤンの死を匂わせてきて外伝1巻の解説がネタバレしてくるし8巻は隠す気もないと言ったら「ほら私が言わなくてもみんな隠す気ないじゃん!」と弁解してきたけど、そもそも「三体に引用されてるヤン・ウェンリーって誰?」に「主人公だよ、途中で死ぬけど」って返しはおかしいだろ

もはやヤンの死よりもロイエンタールがいつ裏切るのか、そもそもこいつ裏切らないのか?の方が気になって仕方ない

ロイエンタールがエルフリーデを生かして家に置いているのもエルフリーデがロイエンタールの家から出て行かないであまつさえ彼の子を妊娠したのも自傷行為っぽい
互いを傷つけ合うことで自分を傷つけ合っているみたいな

ロイエンタールとミッターマイヤーは決裂した方が絶対におもしろいからロイエンタールが裏切る方に賭けてるんだけどだんだん自信がなくなってきた

(おそらく話がぶれるのであえて)同盟に経済格差の描写がほぼないのに徴兵制はあってずっとだらだらと帝国側と戦い、国内は貧しくなっている感じが一周回って共産主義でも採用しているのか?という疑いを生じさせてきた
総力戦だからね…
どこかで企業が云々の話を読んだ気がするからまあベースは資本主義ではあると思うけど

三体の作者が銀英伝が好きなのは疑いようもないけど、作品の傾向が似ているかといえばスペースオペラな点以外はそうでもないなと思った
三体はだいぶハード寄りで物理法則を大事にしていたのに比べて銀英伝のSF要素はかなり薄くて、海の代わりに宇宙に艦を浮かべているだけに見える

宇宙船や恒星間移住、スペースコロニーらへんの宇宙に進出した描写を除けば、作中の価値観は書かれた当時、80年代の色が濃く、未来感どころか古くさい面もしばしば
ミッターマイヤー夫妻とか見てると不妊治療という概念が存在しなさそうだもの

大人を徴兵にとられて市民サービスに営業が出ているなら人口を増やさないといけないし、ずっと戦争に人間が使われているならなおさら、子どもは人工授精し人口子宮から生まれて国が育てる方式でもおかしくないのに、家族制度はそのままだし

三体でも物足りなさを覚えたところだけど、個人の自由の尊重、享楽的な生活、自由奔放な恋愛が普遍的で家族という言葉が過去の遺物に成り果てたと言うから、てっきり「素晴らしい新世界」みたいになってるのかと思ったのにその描写はなく、後で若い母親と赤ん坊の組み合わせが出てきてびっくりした

章北海や羅輯(執剣者)がしばしば父性を見出されていたのはまだわかるが、程心が聖母に例えられていたのもな…
高福祉社会(ゆりかごから墓場まで)はいわば社会福祉制度そのものが人類の母親みたいなものなのに、聖母という概念がまだ生き延びているのに釈然としなかった

そもそも死神永生の、程心に代表される女性性の強調そのものが好きではなかったんだけど…

三体の宇宙艦隊が男女同数なのは書かれた時代もあるけど、中国は共産主義で共働きが基本だし、技術の発達で電子機器の操作が中心になって白兵戦をする必要が皆無(肉体的な頑健さは無用)になっているのも大きい

三体も別に最新のSFではない(原作は2008~2010)だけど、通信技術の著しい発達とAIの描写の有無はめちゃくちゃ大きいなと思った

ヤン・ウェンリーがほんとに死んだので謎の感銘を受けている おまえ本当に死ぬんだ…

あと2巻くらい頑張れよこの甲斐性なしめ! 何フレデリカを未亡人にしてんの!?

最後までシェーンコップの思い通りにならないやつだったな

シェーンコップが喪服は女を美しくさせる的なこと言ってたけど、喪服姿のフレデリカはきっと美しいのでその時に自分の冗談を恥じたらいいよ

というかヤンの死ってユリアンの巣立ちじゃん

キルヒアイスは予告なく死んだのでめちゃくちゃびっくりしたけどヤンは死ぬのが本文でこれでもかと匂わされてたから、どこだ!?どうやって死ぬんだ!?っていう感じだった

ヤンの死を知らされて病床で怒り狂うラインハルト、ちょっとヒルダに甘えてない?
それを受け入れてるヒルダもラインハルトのことだいぶ好きじゃん

ロイエンタールってさんざん迷って結局裏切るの? 子どもどうするの? ミッターマイヤー夫妻が育てるの?

作中でラインハルトの美貌に尽くされた数々の美辞麗句の中でも簡潔に、ラインハルトとアンネローゼのことを「おそらく宇宙でもっとも美しい姉弟」と形容しているのを上回るものはないよね、もう最上級表現使っちゃったもの

ラインハルトもうこれ病死するしかないじゃん フラグ立ちまくってるじゃないか

作者もヤンもユリアンも、組織を作ったらとりあえずキャゼルヌに運営させればいいって思ってない?

キャラの行く末はネタバレされたけど、国家と政治体制の行く末については一切知らない これからどうするんだろう

ロイエンタールが旧同盟領の総督に着任して帝国から離反するなら、ここから同盟(共和制)の復活ってありえるんだろうか?
でも末期のあの体たらくだとろくなことにならなさそうだし…

同盟と帝国で共和制と専制君主制の対比を作り出しているのに、作者と読者はそのどちらでもなく立憲君主制の国にいるのがおもしろいよね ラインハルトは立憲君主制にするつもりはないのかな?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

inserted by FC2 system