誰も彼も槙島聖護の影の中にいる 登場人物も脚本もわたしたちも

1期でシビュラシステムがいつか機会を見て正体を公表する、今はその時ではない、みたいなこと言ってた気がするし、やっぱりこの物語ってシビュラシステムのアポトーシスで終わるべきなんじゃない?

朱や狡噛が死んでも(ファンが減るかもしれないが)他のキャラに役割を引き継げるけど、シビュラシステムの電源が落とされたらPSYCHO-PASSシリーズは終わりを迎えるよ

EGOISTがあまりにも曲を出すペースが遅くて興味を失ってたんだけど、劇場で新曲を聴いたらやっぱり大好き!ってなったので、その分だけでもチケット代払った甲斐があるよ

方針転換がやむを得ないのはわかる、わかるよ、だけどわたしは心が数値化された未来で今を生きるわたしたちと同じ懊悩を抱えて未来をよりよくしようともがき続ける姿が見たいの、サイコパスで攻殻とか虐殺器官が見たいわけじゃないの

サイコパスって医療目的以外で生身を加工するのには否定的なタイプのSFだったはずなのに、外務省職員が脳内に翻訳チップ埋め込んでる設定が後でハックして皆殺しにするためのツールでしかなくてう~~んって感じ 攻殻かよ、攻性防壁つけとけ

アクション、ミリタリに寄せたいならちゃんとした装備を支給してほしい せめてヘルメットつけさせて
黒スーツだけ、時々防刃ジャンパー、たまに防弾チョッキで装甲服の完全武装歩兵と戦うなんて刑事じゃなくて特殊部隊員だからね?

1期が「日本だけが地上に残された楽園です。他の地域は混乱していているので鎖国します。海外の話はしません」で話の範囲を制限してうまくまとめていたんだから、海外へ話を広げるためには海外情勢の説明が必要でしょ、特に欧米の
それをしないでよく話を広げられると思ったな

これは完全な私怨ですが、1期で狡噛と常守に恋愛感情はありませんと断言されたせいで狡朱が食えなくなったのに今更それっぽい描写を出されても無理…ってなる

「悪いことを考えただけで捕まる」という設定が強力すぎて、一度しか切れなかった手札(槙島のヘルメットや工程の分割による罪悪感の軽減)を多用しているのがシビュラを無能に見せているんだよね…

ゆりかごの中の市民たちが目覚める時を迎え、シビュラシステムは役割を終えてアポトーシスするのが今の路線から考えられるハッピーエンドだけど、でも民主主義だって別に完璧じゃないよ
でないと今わたしが履修している銀英伝がたぶんとてもつまらなく感じるはずだから

Siriをおもちゃにしていた頃ならまだしも、チャットGPTが出てきた今、AIの無謬性は信じられない

「心を数値化した社会」というスタート地点に立ち返ってほしい 海外に話を広げる前に潜在犯の人権について議論してほしい
PPPが国際法うんぬん言ってたけど、あの世界の日本が開国したら潜在犯の取り扱いで人権侵害に積極的な危険国家認定されて袋叩きじゃないの?

朱ちゃん、狡噛が実弾の入った銃を撃つのを嫌がる割には花城はいいんだ…?ってなったけど、これは「あなただけにはもう法を犯させたくない」というエゴ丸出しのロマンス要素なのか…

3期のノベライズ、途中でやめちゃったから今度こそ読もう たぶん朱ちゃんのホワイダニットが判明したからストレスがかなり減って読めると思う

ただ、シビュラが槙島を捕捉できなかったのに灼は捕捉できていたり、縢とチェグソンがこの世で最初にシビュラの正体を見たから処刑されたのに灼の方が先にシビュラを見ていたり、そういう1期の設定を上塗りしたのは本当に悪手だったよ
素人じゃあるまいし古参ファンの反感を買うことくらいわかるでしょ

サイコパスの終わり方、現実的な落とし所は1期で問題提起されていた裁判制度の部分的復活じゃないかな
あの市民たちはゆりかごの中から立ち上がることを望んでないでしょ、朱ちゃんの事件以降でさえ

潜在犯の人権と引き換えに手に入れた社会の安定があまりにも魅力的だったな
そもそも日本人(雑なくくり)は割と安定した社会のために個の権利を制限されることに寛容的なので、シビュラシステムが嵌りすぎていると思う

朱ちゃんが一時的に制限を解除?して執行官の宜野座に現場の指揮権を与えるやつ、それ何???って思ったよ
潜在犯にそんなに人権あるならなんで宜野座は潜在犯の子として石を投げられて征陸さんを毛嫌いしてたの

制作側もシビュラシステムに代わる社会体制の未来図を描けていないからあんな感じになっているような気がしてきた
犯罪係数もドミネーターも持て余してるもん

サイコハザードといえば、3期放送後に激怒しながら書いた感想にめちゃくちゃ共感のマシュマロもらった時の方がサイコハザードだったよ
普段ほぼ壁打ちだからそんなにマシュマロ来ないのにあの時がいちばんたくさん来た

あの時、縢くんのファンは3期のこと許さなくていいよ…と思った

「シビュラシステムがAI(人工知能)によって人びとの職業を適材適所で差配していくので、性別による差別は一切ないわけです」なら何で政府高官が朱以外男性しかいなかったの?
シビュラシステムは無謬性を誇る機械(AI)の振りをしてその実、人間(免罪体質者)が最終決定権を握っている人治であると解釈していたんですけど…まさか本当に冲方氏と解釈違いだったとは…
移民問題の描き方についても完全に解釈違いですね、少なくとも海外生まれ、日本育ちのわたしとは違う感性をお持ちのようですね

マルドゥック・スクランブルを1巻半分も読まずに挫折して、気を取り直して天地明察を読んだらけっこう楽しめたので、もう冲方丁のことよくわからない…

狡噛と朱がどちらもシステムの抜け穴をついて生存して仲良く会話できるのを見ると、監視官と恋仲になって疲れて混乱に乗じて逃げた神月執行官と彼をドミネーターで処刑し自らもドミネーターで執行された青柳監視官って地獄みたいだな〜〜

神月執行官の話、最初の放送ではなかったのにノベライズにはあって、しかも総集編で追加されたのでたぶん尺の都合でカットされたんだろうな

王陵璃華子の「私たちはクラシックな家具に加工されてクラシックな殿方に買われる、結婚という体裁で」という台詞すごく好きだったけどノベライズにはなかったので、たぶんあそこは深見真じゃなくて他の人が書いたのかも

青柳監視官、彼氏(神月執行官)をエリミネーターで撃ち殺しても別に色相は濁らないし「飼い犬に噛まれたような顔」をするだけだし、最高だったな〜〜

青柳監視官をそうとは知らずに執行したのは須郷だけど、宜野座はもうすっかり許しちゃったんだな〜と思いました もう誰も死んでほしくないもんね

シビュラシステムが公平なのはサイコパス以外の全ての属性を無価値にしたからで、システムの中身の免罪体質者が倫理観に欠けるがゆえに数値でしか判断しないからだと思ってたら、冲方氏はシビュラがAIを使っているから公平と思っているらしく、今までの解釈違いに得心がいった

冲方丁は設定資料集を読んでいないのか?と時々思っていたけど、これちゃんと資料をもらってないか、資料が間違っているか、読む気がなかったか、読んで故意に無視しているか、さあどれだ!

インタビューを読む限り、あれが冲方丁のやりたかったことっぽくて、つまり社会問題をうわべだけ扱っているのではなくあれが冲方丁の見解な可能性が高まってきた

冲方丁と政治的見解がちょっと違うのはまだよくて、自らの政治的主張を作品、しかも他者が作った続編へ反映させると反感を抱く層が現れることを自覚して政治の話に帰結させているのか?というところでつまづくのよ

男女差別が撤廃されたという設定の下にお出しされたのがのっけから「黒スーツのおじさんに楯突く女性と彼女をなだめる上司のおじさん」の構図なのは100年後の日本ではなく20年前の日本の間違いではなくて?
政府高官が義体に入っている(から脳は女性かもしれない)設定をもし公式が覚えていたとしても、外見に中年男性を選んだ時点でそれが政治家として適切だとシビュラシステムが判断したことになるので、救いようがない
もともと女性ファンも多くて、しかも10周年ということはそれなりにキャリアを積んでいる人もいる中で、おじさんに楯突く若い女性の多勢に無勢、孤立奮闘な絵面を100年後の日本ですよって出されたら反発するでしょ わたしはめちゃくちゃした いつの時代を生きてるの

都知事には若く美しい女性(元アイドル)をシビュラが推奨し、傍目には女性の積極的な政治界進出を描きながら、ノナタワーの密室で政治の実権を握っているのは黒スーツの中年男性で若い女性が楯突いてはあしらわれている構図、100年後の日本として最悪

朱ちゃんが自分の家族友人に自分のテロ行為が及ぼす影響を考えるシーンは欲しかったですね でないとなんで宜野座は征陸さんを拒絶し続けていたのか、潜在犯の子は潜在犯になるという流言に耐え、局長からも遺伝する可能性を言及されたのかわからない

朱ちゃんを肯定的に描きすぎたって話よ

外務省行動課へ異動して、特例として自由な外出を認められた自分が他の潜在犯には許されない、執行官にさえ与えられない特権を行使していることを時々思い出しては鬱々とする宜野座さんが見たい〜そして何とも思ってない狡噛を見て道が分たれたことを再確認して寂しさを覚えてほしい〜

朱ちゃんが監視官として長く勤めすぎと言われていたが、PPPの朱ちゃんは25歳で1期開始時の宜野座は27歳(その後28歳)で監視官のキャリアは基本10年だよ

朱・狡噛のペアがフォーカスされるにつれて忘れつつある設定
狡噛と宜野座は学生時代からの友人関係で、潜在犯の父を持つせいで孤立しがちな宜野座を狡噛は全然気にしなかった、しかし二人の部下の佐々山が殺されると宜野座のことなんか忘れて事件にのめり込んで宜野座を置いてった罪作りな男

宜野座が最後に彼女がいたのは9歳だけど、これは宜野座の自己申告 たぶん彼は女性と関係を持ったことがないですね…10歳で父親が潜在犯認定されたので

冲方氏はコロナ禍での鎖国状態を自国主義と呼んで嫌っていたので、もしかしたら1期の鎖国体制下における日本だけの繁栄を嫌ってあんな感じに設定を変えてきたのかも…

冲方氏のインタビューで気分が悪くなって同期(サイコパス未履修だがあらすじは知っている)に愚痴を言ったら、向こうは向こうで推していたVチューバーが卒業を発表したのにショックを受けて「もうVを推すのはやめようかな…」と言い出したので、ふたりでらんまんを見ながらお通夜した

花城フレデリカが一人で監視官、執行官の役割を負っていて脚本に便利に使われているように見えるので、早く過去とか私生活とか見せてください

わたしも別にケチつけるためにサイコパス見てるわけじゃない 要望はずっとただひとつ、説明してほしいのよ
方針転換も展開もキャラ入れ替えもキャラの変貌も頭から拒否してるわけじゃない、でもその過程の描写があまりに不十分で、何考えてるの?自己満足か?ってなるわけよ 何考えてるか見せてよ

今と違う価値観の支配する未来で視聴者と同じ感覚を持ち、視聴者を作品へ没入させる役割を負っていた朱が殺人を犯したことにより見る側から離れてしまったのに、朱とペアである狡噛もまた法の外にいる獣でしかないので、この「見る側と同調する役割」が宙ぶらりんになったように感じますね

PPPの狡噛が正論を唱えて顰蹙を買い、寄り添う素振りも薄かったというかちょっと突き放しているようにも感じられた(だから朱は「謝ってほしかっただけなのに」と言う)のは、首輪を引きちぎって逃亡し野生に帰った彼はもう視聴者の常識を代弁する立場にないからかもしれない

一方で宜野座・霜月ペアは銃を持たないので、こっちにその役割が移動しているような気もする

まあ何を考えても「シビュラシステムはAI」という発言が「私情を挟むことのない機械だから公平だと思っていたのに、実は人間だった」という1期の最大のオチを粉々にしてしまってすべての考察が無意味になったんですけど…これ完全にパラレルワールドでしょ…
1期が放送してた頃、虚淵はいつもオチを「敵も実は自分たちと同じ人間だった」にすると揶揄されていたはずなんですが…まどマギとかクウガとかガルガンティアとか
シビュラシステムを成立させているのは「心を数値化する技術」、すなわちサイマティックスキャン技術だったはずなのに、今の制作陣はAIの方がお好きなようですからね
3期で公式と解釈違いを発症したのは正しかった

自分の感想を読み返して気づいたけど細呂木局長が飛び降り自殺した後に禾生局長が帰ってきたよね?
それって朱ちゃんが公衆の面前で殺人を行い「苦渋の決断で自らの手を汚した」インパクトが薄れちゃうのでは…?局長死んでないじゃん…最初から死なない茶番劇だったらラストで号泣する意味ないじゃん
監督からの要請でこの順番になったと対談に書いてあったけど、正直エンタメとしては失敗かなあ…だって話が終わらないのストレスだし
陳腐な終わりでもきちんと決着つけていればそんなに悪く感じないよ

砺波が人間に絶望して人ではない神を欲していたから、朱ちゃんはシビュラシステムをAIと呼んで砺波の幻想を守ってやった(まだ職務を忘れず守秘義務を守った)のだとばかり思っていたけど、各種インタビューを読む限り本気でシビュラをAIと考えて制作しているようで…それは特大級の解釈違いです…

「『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界は、誰もがどこかで少しずつ絶望していて」のくだりで、1期見ないで作ったのか?という疑いが強まった もしくは違うものを見ていたんでしょう
世界に絶望していたのは槙島聖護ただ一人だと思ってたよ、だから自分の代わりがいないことに安堵して狡噛に撃たれた

絶望したら色相濁っちゃうじゃん〜

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