「ユリアンのイゼルローン日記」めちゃくちゃおもしろい メインストーリーしっかりやった上で日常パートをやるのはいいよね 戦場において日常が最も尊いみたいな

外伝1巻にも2巻にもキルヒアイス出てくるし、やはり殺すの早すぎたんだよ そりゃあラインハルトも錯乱するよ

なかなかイゼルローンへ呼べない左遷中のキャゼルヌは赴任地で有能さを発揮して気に入られてしまって手放したくないと思われてるんじゃないかと疑ってる
先輩、ラインハルトの次くらいに働いてなかった?

ヤンがキャゼルヌをイゼルローンに呼んで事務仕事をすべて押し付けようとしている描写で気づいた
キャゼルヌの物語における役割が民主主義の体現っぽく見えるのは、民主主義(血縁ではなく法によって任じられる官僚制)に付随する文書主義の側面を担っているからなのでは
作中で軍官僚と称されているのはキャゼルヌとオーベルシュタインで、二人とも軍人というより官僚的な働きが目立つけど、オーベルシュタインは民政には全然手を出していないのに対して、キャゼルヌは早くから「市長」と形容されるし

同盟の評議会の人たちは実務担当者じゃないからな…

感想を書くのは息をするのとほぼ同義なので、むしろ「言語化が上手いね」と初めて言われた時にこの衝動を「言語化」された心持ちだよ

ポプランって女好きエピソードをこれでもかと差し込まれてシェーンコップと似た立ち位置だったと思うけど、ヤンもしくはイゼルローンを“家”にはしなかったところが違うなと思った
コーネフが生きてた時は描写も違ってたし、コーネフが死んだから根無草に戻っちゃったのかな…

9巻読み返したらトリュートニヒトが不気味すぎる しかもこいつが銀河帝国を立憲君主制にしようと画策していたのが怖い
やってることは民主主義的に正しいのに本人は民主主義に価値を置いているわけでもなく、なのに外に現れる振る舞いだけは最も民主主義を体現する人間

ユリアンも帝国公用語を話す(やや苦手にしている)描写があるから学校で習うのか、それとも幹部候補生とかだけが受講するカリキュラムなのか
帝国側は逆に地位の高い人ほど同盟公用語ができないんじゃないかと思う 独立国家と認めてないわけだし
帝国側で同盟公用語ができる人は専門職として重宝される一方で蔑まれていてもおかしくない
ラインハルトはどっちなんだろうな…

エルフリーデは幸せではないかもしれないけど満足はしたのかな
ロイエンタールの子を産んだのは自傷行為だけど、たぶんあの二人は相手を傷つけることで相手に重ね合わせた自分を傷つけていたから、ロイエンタールが最期に不幸でなかったならエルフリーデも解放されてもいい

ユリアンのイゼルローン日記でのポプランはコーネフとニコイチ感が強いので、つまり撃墜王が一人になってしまったからシェーンコップと対比されるエピソードを盛られたようにも見える

イゼルローン要塞は自給自足可能で鉄壁の守りを誇る閉鎖生態系みたいなもので、民間人もいるのに民政を司るのはキャゼルヌ(軍人)だから、実質ヤンによる軍事政権状態なのに、ヤンの怠惰さと民主主義へのこだわりがうまいことそう感じさせなかったな

イゼルローンの基地及び生活拠点としての運営がラインハルト並みに「市長」のキャゼルヌに属人化も甚だしい上、容易にヤンの軍閥に転じえる環境なのに独裁的に見えないのはうまくやっていた(描写していた)と思う
職業軍人に徹して政治的、経済的野心に欠け、民間人の保護を最優先するという心構えが

イゼルローンの運営が明らかにキャゼルヌに依存しているのを心配していたらそのまま最終巻まで走り去ってしまった…そのせいでキャゼルヌがチートキャラと化しているように見える
ヤンが政治家を嫌っているせいで物語の構造的にその側面を担わされたのも含めて

ロイエンタールを殺した後のミッターマイヤーの泣き顔は定期的に反芻して味わっている
艦隊決戦が基本だから直接殺した感が薄いのが残念ですね

シェーンコップが流暢に帝国公用語を話す描写が出てくるたび、こんなんでも祖父母に厳しく躾けられてそれを渋々でも受け入れて身につけたのか…唯一の肉親は捨てきれないな…という目で見てしまう

キャゼルヌってなんで軍人やってるの?ほぼ行政官じゃん?やっぱ孤児か何かなの?でも先輩くらいまめな人間なら国立大で奨学金もらえそうだけど…と思ったら手続きミスか
あれほど敏腕なキャゼルヌでも10代の頃はうっかりしてたんだな…もしくは他に家庭の事情でも眠ってるのか

キャゼルヌが要塞事務監として猛然と働き、「市長」と形容されて民政まで取り仕切っている感じがしたところで、いやシビリアンコントロールー!!!って思ってたんですけど、本当にうまく着地したな

まあ高校の時センター試験で数IA満点だったのに数Iにマークして浪人した奴がいたので、キャゼルヌがここぞという時にきわめて珍しくうっかりミスしてもおかしくはない…

基地内のことを軍人が取り仕切るのは当然だけど、赴任してきた軍人が取り仕切るにはイゼルローン要塞は大きすぎるし、自己完結しているせいでちょっとした都市国家レベル

同盟公用語と帝国公用語のモデルが英語とドイツ語なのはゲルマン語から分岐していったイメージなんだろうけど、そもそも帝国公用語がドイツ語に定められたとしても日常語として他の系統の言語は普通に生き残ってると思う
現実の旧植民地ですらできなかったことを途方もなく広大な宇宙でできるとは思えないし、統一した瞬間から方言化が始まる
身分制度が強固であるほど階級ごとの変種があるのは明らかなので、奴隷だったハイネセンたちの話す言葉が当時の帝国公用語と同じだったとは思えない
ハイネセンが首都星にいたわけではないことを加味すると、たぶんコックニーとRP以上に違う

言語史的にはイギリス英語とアメリカ英語と近いけど、こっちはほぼ通じるからなあ…

言語政策の授業で「言語とは軍隊と国境を備えた方言である」と先生が言っていたので、ハイネセンたちが己の方言を公用語として定めて当時の帝国公用語と違う言語であると宣言すれば違う言語になれるね

外伝3巻の取り寄せ手続きをしたら所蔵が全部借りられていたので、この人と再会したかもしれない

ヤンはキャゼルヌをドラえもんか何かだと思ってる節あるな すごい甘えてるじゃん びっくりした

ユリアンの祖母が帝国から亡命してきた嫁(ユリアンの母)を嫌っていた描写、帝国の身分制度を否定して建国したにもかかわらず血統へのこだわりが根付いて消えておらず、差別意識の普遍性をよく表していてとても好き

政治体制として同盟と帝国のどちらがいいかについては利点も欠点も挙げて、最終的に民主主義的価値観を肯定しているのは同意するんだけど、同盟から経済格差の話をほとんど抜いてしまったがためにちょっと美化されてしまったような印象はある
資本主義の是非について問うと別の話になっちゃうしね…

いくらラインハルトが為政者として優れているからといって彼の理性にベットする気はさらさらないんだけど、それはそれとして同盟のことは冷めた目で見てしまうこの気持ちは何だろう…と考えたところでシェーンコップを卑しむ視線を投げた入国審査官のことを思い出した
ユリアンの祖母もそう、平等なんか嘘っぱちだという強烈なメッセージ

ハイネセンには国立美術館があったけど、帝国はたぶん貴族のコレクション止まりなんだろうな

士官学校時代から組織の運営に熱中しているアッテンボロー、根っからの革命家気質じゃん あるいは永遠の反抗期
絶対教官に問題児としてマークされてて進級するごとに教官の間で受け継がれてたでしょ

母もなく弟を育て父に売られたアンネローゼの“王子さま”になったかもしれないキルヒアイスを連れてきたのはラインハルトで、死に至らしめたのもラインハルト
アンネローゼは後悔しただろうか 手に入れられない希望の光に触れてしまったことを

ところでケスラー夫人の話めっちゃ詳しく聞きたいんだが ヒルダも結婚式には友人枠で参列したよね?

あとキャゼルヌパイセンの結婚式はないんですか?夫人との出会いは?

紳士と呼ぶには鈍臭くてものぐさだけど普段は温厚と言って差し支えないヤンがたまに罵詈雑言を吐いているのはめちゃくちゃ興奮します
こいつ、こんなんでも男所帯で育ってて感覚おかしいんだよな…

ヤンのユリアンに対する保護者としての振る舞いって、自分が父親にされてきた対応なんじゃないかなあ
子ども世話はあんまりしないし殊更に教育的なことも言わないけど、精神的支柱にはなりうる感じ

年下(後輩)の上官の下で働くといっても、ヤンに頼られて甘えられるキャゼルヌもまんざらではないんじゃない? 裁量も大きくて好き勝手できるし

士官学校時代に何があったんだ…やはり本を読み耽ったり寝過ごしたりして食堂が閉まって呆然とするヤンを餌付けして懐かれたんですかね先輩…

日常編だとキャゼルヌの出番が多いし多忙さについて頻繁に言及されるな
ラインハルトは過労死みたいなものだと思ってるのでキャゼルヌは過労死しなくてよかった やはり円満な家庭があるのが違うんだろうか

「同盟公用語と帝国公用語がそれほど違う言語ではない」は英語-日本語と英語-ドイツ語の比較で言うなら正しいけど、イギリス英語-アメリカ英語を念頭に置くなら正しくない

英語と語彙が似ているのはフランス語(ノルマン・コンクェスト)で、文法が似ているのはドイツ語よりオランダ語だと思う
オランダ語は二人称敬称がu(英語のyouも元は二人称敬称)だし、be動詞の三人称単数がisなのでかなり英語と似ている

シェーンコップの亡命した理由を読んだけど、連帯保証人というのは日本にしかないんじゃなかったっけ

ヤンってかなり酒に強いの? 夕食時にウイスキー5杯ってだいぶ飲んでるよね
これ、体格もさほどよくないし東洋人は酒に弱そうという偏見を持った同期に酒を飲まされて平然と飲み干して一目置かれるやつじゃん
いや飲み過ぎて選挙に行き損ねたエピソードがあるからザルというわけではないのかな?

壺を抱く満面の笑みの赤ちゃん、ヤンじゃなくてもかわいいわ 耳元で泣き叫ばれているのでもない限り赤ちゃんは本能でかわいい
これ撮ったのはお母さんなんだろうか

ユリアンのイゼルローン日記、なんて恐ろしい…ヤンがひたすらぐうたらして昼寝して酒飲んで、先輩に仕事を一任して自分はのんびりしてお茶を飲んでユリアンに何かいいこと言って食事に出かけて、たまに仕事したと思ったら政治家嫌いを発動させて逃げ回って…
働け

ユリアンのイゼルローン日記の解説が円城塔で、ハッ!?!?ってなった

ヤンのあらゆる欠点が美徳に見えるフレデリカ、これほど「あばたもえくぼ」という言葉が似合う人はいるまい

イゼルローンで毒舌皮肉が飛び交っているけど本気で相手を傷つける言葉はない、本物の大人の集団だ、とユリアンが書いているのはたしかにそう 彼らは超えてはいけない一線をわきまえている
まあその手前すれすれで火遊びする心はあるみたいだけど…
なんなら毒舌を飛ばしあって大丈夫なラインを日々確認しててもおかしくない

ポプランって無頼を気取っているところがあるくせにコーネフに冗談でも友人じゃないと言われてびっくりするくらいにはコーネフのことを当たり前に隣にいると思ってるよね なんならポプランの方が友人を大事にしていても驚かない

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