えっ外伝3巻もキルヒアイスいるじゃん もしかしてキルヒアイス、外伝は皆勤賞なの?

宇宙で最も美しい男・ラインハルトとラインハルトに負けず劣らずの美貌のヒルダ、二人の息子にはどれほどの美辞麗句が費やされるのか見たかったぞ

外伝3巻のラインハルト18歳、肉体も情緒もあまりにも少年で始終かわいいな…という感情になる
会議で孤立して意見が通らなくて、帰ってきたらキルヒアイスにめちゃくちゃ愚痴言ってるところとか

ビッテンフェルトは死ぬとばかり思ってたので生き延びたのは意外だった 作者も何度か殺そうとしてなかった?

同盟を見限ってヤンの元に集った人たちはヤンの人間性に惹かれたわけで、ラインハルトの神々しいまでのカリスマ性に魅了された帝国の人たちと根っこは同じように思う 人は人を好きになるのであって体制を好きになるわけではない
ヤンの民主主義へのこだわりと国体への関心の薄さが人を惹きつけるけどそれを認めると民主主義が崩れるという板挟みで苦しむ一方、ラインハルトは自身の神格化を許さなかったけど崇拝されるのは別に拒否してなかったよね むしろ民衆に受け入れられている証として肯定的に描かれていたように感じる

作品の評価は「おもしろい」と「ストレスがない」の2つに大別しているが、銀英伝はどっちも満たしていたね
作者は民主主義の国に生まれ育ったのに民主主義の欠点をこれでもかと書いてしかも滅ぼしたあたり、己の書くものへ自覚的、批判的視点を内在化していて、つまりはムライを脳の中に住まわせている

常に激発しそうになってるラインハルトをキルヒアイスが宥めたり、逆にキルヒアイスの存在を思い出して怒りを抑え込んだりするラインハルト、見てて飽きない 黒ひげ危機一発かよ
もはやどこに刺しても爆発するやつ

キャゼルヌの部下もたくさんいるはずだけど名前が出てこないから、キャゼルヌが後方支援を一手に引き受けていたような印象がある

さすがにラインハルトも白兵戦のシーンがあるか…!?と期待したらなかった 事務所が厳しい

リューネブルクは別に好きじゃないけど憐れではある
亡命者は薔薇の騎士連隊に隔離され、帝国に戻っても異物、どこにも居場所はない 追い出されたが最後、漂流するしかない

シェーンコップが士官学校を受験した描写でびっくりした てっきり亡命者とその子は薔薇の騎士連隊にしか入れないものとばかり
亡命者には就労制限があると思ってたけど、登場人物が軍人に偏ってるからよくわかんないな

民主主義と専制君主制の対立に話を絞って単純化された結果、祖国を喪い、祖国を得ることのない亡命者がどこに帰属するかという要素はシェーンコップの死を以て終了したのがちょっと寂しかったですね
まあどこにもないんですけど

あの世界、遊牧民的生活をしている人たちはいないのかな 馬の代わりに宇宙船に乗って、星から星へ移り住み、星に定住しない人たちとか

キルヒアイスにわがまま言ってるラインハルトかわいいね このかわいさにキルヒアイスはやられてるな

宇宙で最も美しい男の笑顔をふんだんに浴びているキルヒアイス、これで人格がおかしくならないんだからすごいよね ここまで心を開かれているのが自分だけだったらなんかおかしな気をおこすよ普通

笑顔を安売りしないラインハルトの笑顔を独占していたのはアンネローゼとキルヒアイスだけど、二人に見せていた笑顔とは別のヒルダだけが知っている顔もあるんだよなあと思う

ラインハルト18歳がいよいよリューネブルクと決闘するか…!?と思ったらしなかった
作者、ラインハルトには頑として素手で戦わせようとしないな…

幼年学校での連続殺人事件って何…? たしか外伝1巻でも言及されてたけど何…?
ラインハルト18歳が始終かわいいのに17歳だったらどうなってしまうの…?

ストーリー構成上の要請という意味でも精神的成長という意味でも、ラインハルトはキルヒアイスがいる時はすぐ激怒してキルヒアイスに宥められ、怒りを抑えるつもりが全然ない
そしてキルヒアイスが死ぬとキルヒアイスの姿をした自制心を内在化させてキレるまでタイムラグが生じる

ヤンを崇拝している気のあるユリアンもフレデリカもキャゼルヌがヤンに引き合わせたわけだし、そういう人が周りにいても天狗になることのないヤンの性格を熟知していると思しきキャゼルヌはやっぱり有能だな

ポプランたちが出撃前にウイスキー回し飲みしてるところで、飲酒運転だ~~!!!ってなった
今ならできない描写だな…

容姿の美醜に欠片も興味のないラインハルトが伴侶に選んだのが美貌のヒルダなのは運命のいたずらなんだか

ラインハルトは美貌ゆえに人望を得たわけではないけど、その絶世の美貌がカリスマ性、求心力を増大させたところはあると思う
誰だって醜いより美しい方が好きですものね

物資を要求されて「お前らが消費したんだからないんだよ!」とキレるキャゼルヌ、めちゃくちゃお母さんっぽい
夕食後にノートがないって言われて、なんでもっと早く言わないの!?って怒る感じ?

なんかみんな物資が足りないとキャゼルヌに要求したり責めたりするので(そういう仕事)、キャゼルヌに言えばどこからともなく物資を取り出してくると思ってそう 筆頭がヤン

とても世話好きに見えるので、若い兵士に誤ってお母さんと呼ばれて、そこはせめてお父さんだろ!と怒るキャゼルヌは見たいです

アイゼナッハって求婚する時も無言だったでしょ 無言で赤い薔薇の花束を渡す それを受け入れられる度量のある女性だから結婚できた

さすがにアイゼナッハが無口でもアニメなら声優いるよね…?

ラインハルトの臨終の間際、喧嘩するビッテンフェルトとワーレンにグラスの水をぶっかけるアイゼナッハ好き お前こんな時でも喋らないのかよ

ユリアンやフレデリカがヤンの欠点をも美徳と捉えるような人格的欠陥、つまるところ「恋は盲目」なのを愛すべき欠点として描写する作者の腕の良さよ

昨今話題になる「倫理観のある作品」とは、作中の世界観やキャラクターの振る舞いと現実で「社会的に正しいとされること」との落差を自覚していること、少なくとも読者にそこを意識していると伝えることができている作品なのよね

外伝3巻の解説がカメラワークのたくみさの話をしていて、これは全面的に同意する
銀英伝、キャラが多いうえに歴史小説の体裁だから視点の切り替えが非常に多いのに、全然混乱しないんだよね 読者に情報を提示していくステップが抜群にうまい
この手の書き方はむしろ少し古い小説で見る気がするんだけど、流行りもあるのかな?

リューネブルク、結局死んじゃった…
シェーンコップもだけど、彼ら亡命者はどこにも行き場がないんだね 差別と異物の排斥は人間の根源的な感情だから

銀英伝は軍事小説なので、にっちもさっちもいかなくなったら戦場に放り込んで殺せばいいところあるよね

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