そういえばてっきり慎導篤志は免罪体質者でシビュラに取り込まれたものと思ってたらPPPで普通に死んでびっくりした
頭を撃ち抜いたから脳を後で回収もできないし 篤志は何だったんだ?

いまだに監視官を10年勤め上げて昇進したらどうなるのか判然としないので早く明かしてほしい 慎導篤志の職務も正直よくわかってない

PP2期の集団的サイコパスが全然話に活かせてないのがずっと気になってる
脳内に入れたチップで擬似的に免罪体質者になっているのはまあいいとして、じゃあ彼らの集団的サイコパスは?

移民問題なんかやる前に「潜在犯にも人権を!」とデモ行進して参加者が潜在犯認定され、テレビで報道されても大多数は冷淡だけどだんだんその思想に共感する人が増え、デモは連日続き、彼らにパラライザーを撃ちまくる刑事課メンバーがこれが正義なのだろうか…?と苦悩する話とかが見たかった

今後朱のサイコパスが曇る展開はないんだろうと思うと、物語として緊張感が失われてしまったなと思う

犯罪係数300オーバーの潜在犯だらけの所沢矯正センター、収容者に嗜好品が与えられているところが改善見込みなしと見放されているみたいだな 六合塚は申請したもの却下されてたし

灼と炯がシビュラ的に相性最悪だという設定、その相性が悪いがゆえに引き起こされる事態というものが欠如していたように思うんだけど、記憶が飛んでるだけなのだろうか…

王陵璃華子、良妻賢母に加工されて殿方に購入されることを嘆き何にだってなれたのにと言う一方で、その女子生徒の人生を終わらせて自分の作品の素材という結末を与えてしまう傲慢さと矛盾に全然気づいてないのが無邪気に若くて視野が狭くて世界が自分を中心に回っていると信じて疑わなくてかわいいね

王陵璃華子が淑女教育に反発を抱いているのをシビュラ体制への反発と解釈した槙島は気に入って援助していたけど、結局璃華子はシビュラに制限された芸術を復興させるふりをして父親の後を追いかける、すなわち後追い・懐古なだけで、自分から新たに生み出す意欲があったわけじゃないんだよね

王陵璃華子が歳に見合わず妖艶ささえ感じられる振る舞いをするのに、思春期の少女らしく残酷で無邪気で傲慢で自意識過剰で世間知らずで愚かしいところはとてもいい あれは徹底して愚かな少女だった

物語として重要なのは、シビュラシステムが免罪体質者の脳という生体パーツで構成されていることそのものより、その生体パーツは意思を持っているのか?という点だったと思う 犯罪係数を恣意的に操作できるって、それ法治じゃなくて人治ですよねって話
人間じゃなくてシステムだから公平だと言い張るシビュラが自らの存在意義に反する行いをするのが朱の反感を買ったけど、シビュラが犯罪係数を改竄したのは1期とVVで、冲方氏の参加した脚本では行われていない
シビュラがAIで真に過たない託宣を吐く機械ならこの展開はできないよね、自由意志がないので
違った、縢が犯罪係数を改竄されて殺されたのを朱は知らないんだった

サイコパスもシリーズ化して長くなったので、シビュラシステムとか免罪体質者とか社会の真の仕組みについて誰が何をどこまで知ってるのかわからなくなってきたので、これをまとめるためにも1期から見返している

1期は話の取捨選択が抜群にうまかったね 自己決定権をシステムに委ねて生きるお前たちは意思ある人間なのか?というテーマに集中していた
今のサイコパスは欲張りすぎて何もかも中途半端

Wikipediaでタイタス・アンドロニカスを読んだら、父に殺されたラヴィニアは名誉殺人とされていていろいろと納得した シェイクスピアは古代を舞台にするのも好きだったけどタイタス・アンドロニカスもそうだったんだ

灼のメンタルトレースは便利すぎると批判されていたけど、私はさほど忌避感がなかったんですよ、生身で行使しうるサイマティックスキャン技術だと解釈していたから いわば一人でシビュラを限定的に再現できるから生身のまま取り込まないでいたと思ってた
でもシビュラがAIだとすると前提が崩壊する…

泉宮司の全身義体化による不死をめぐる話題で、狡噛の「潜在犯の人生は末長く続けたくなるようなものじゃない」に朱が「社会制度が発達すれば潜在犯の権利も改善されるかも」と悪意なく言うことの残酷さを10年越しに味わっている
あれが何に統治されているかも知らずにいる理想的市民の姿

御堂がどのアバターにもなれるのは自分が空っぽ、すなわち自分を持たないから、王陵璃華子が時代錯誤な教育に反抗していたのは自由を求めていたように見えて父親のことが好きで父親のうわべだけ真似していたから
だから人の確固たる意思を見たがっていた槙島に処分された

VV見た時も思ったけど、槙島の「君の意思を見たい」も高望みというか、社会性の生き物である人間は社会規範に沿って生きるのが最も適切で、それを批判されるいわれはないはずなんだよね、朱が言うように
槙島は生まれる時代を間違えた
伊藤計劃のハーモニーが「心とは後付けのもの、肉体を生かすために生まれたもの」としていたのを思い出したり
心が数値化されて神秘性を剥ぎ取られた社会で、心を正しく数値化されない槙島はたぶん夢を見ている 心が何かとても素晴らしいものだという

璃華子がやっていたのは父親の真似だから彼女がタイタスで、彼女が殺す女子生徒がラヴィニア
ラヴィニアは殺されて幸せだったのか?は槙島から璃華子への問いかけ システムに隷属して決められた道の上を歩くだけの人生から解放された生徒たちは自らの意思とは関係なく殺されて本当に幸せだったのか?
王陵牢一は残虐な絵を描くことで見る人の良識に訴えるという確固たる信念があったけど、娘の璃華子はたぶん、思春期の少女がはまりがちな残酷さに心惹かれていただけで父ほどの信念はなくて、だから父の劣化コピーでしかない
だって王陵牢一、サイコパス濁ってないんだもの

タイタス・アンドロニカスを引用していたのは王陵璃華子が女子学生を殺すのを名誉殺人に見立てているのか
クラシックな家具に加工されるのはその先の可能性を摘み取られるのと同じ、教え込まれて告発する口を失い、淑女の振る舞いを身につけて自由な手足を失う、だから尊厳のために殺してやる

サイコパスに限らずディストピアとはたいてい料理が栄養価重視でまずそうな見た目をしていて、料理とは精神的豊かさの象徴なんだよね
一方で家事が自動化されたことによる時間的余裕で人生はより豊かになる側面もあるけど、それってつまり金持ちの道楽こそが精神的豊かさだという身も蓋もない話よね…

PPPの特番見ました 気になったのはやはりAIの話ですね
AIは手段でしかなくその手段を使って何をするのかが重要なのに、今発展しているAIも扱ってます!では現実の後追いでしかないと思う EUがAI倫理指針を出したの2019年だよ?
現実が追いかけてきているのは監視社会の方だと思ってた
人間の動きを分析して万引きしそうな人をマークできる技術を見た時、サイマティックスキャンだ!って感じたんだよね
SFならこの技術があれば世界はどうなるかをシミュレーションしなければならないのに、シビュラがAIを使っているから公平って、その先は何なのか?この社会はどこへ行くのか?がずっとぼかされている 思いついていないんだろうか…

あれだな、3期以降の脚本は社会が公平になったと規定しているけど、わたしはこれが公平なふりをしているだけ(シビュラが再び犯罪係数を改竄したら終わりな薄氷)だと思ってるからだな…

シビュラシステムはAIってあちこちで言ってるけど、少なくとも1期で明確にAIと呼ばれていたのは朱ちゃんの家にいたクラゲ(AIセクレタリ)くらいだと思う…

あと特典イラストの集合絵を「大変尊い」と公式が言っているのがなんかちょっと…自分で言うなよというのと、そもそもやたら大げさな言葉を使うのも好きじゃない

槙島の「みんな小さな独房の中で自分だけの安らぎに飼い慣らされているだけだ」はとりわけ好きな台詞
いろんなサービスもSNSもどんどん自分に最適化されて、広大なネットの海の中で自分の好きなものばかりが知らぬ間に優先して目の前に提示される、今やそれがデフォルトになった
肉体の生存のため、快適さの追求の果てにあるのは王陵璃華子の言うところの「安らぎという名の病、人々が望んだ死の形」
だけどこれを望むのは強い人たち、あるいは余裕のある人たちだけで、大半の人間はゆりかごを選ぶ それを知っていた朱はシビュラの電源を落とせなかった

コミュニケーションとは本質的に傷つけあうものだと思っているので、安らぎを病と呼ぶ王陵璃華子の台詞はとても好き
「ハーモニー」のみんなが傷つかないような優しい社会でむしろ自殺率は上がっているという設定もとてもよく理解できた
傷を負うほどでなければ本気じゃないのね

サイコパスはずっとディストピア物やってるけど、最初は「ハーモニー」的で「素晴らしい新世界」的だったのが今は「虐殺器官」で「1984年」に転換したように感じる

AIや自動運転とかの技術は手段でしかなく、責任を負うのは人間だというのが現在のメインストリームなんだから、PPには近未来SFとして「無謬の神託を出力する機械に判断を委ねるべきかどうか」の先の「どうすれば機械から自己決定権を取り戻せるのか、それは本当に市民のためになるのか」をやってほしい
その手前でずっと足踏みしてる感じ
3期もPPPも手段の話に終始していて、目的、すなわち社会の目指す先や未来のヴィジョンが全然見えなくて、製作陣がまだ思いついていないんじゃないかと疑っている

朱ちゃんが縢くんと喋ってる時には普通の女の子みたいに喋るのいいよね…
朱ちゃんなんでそんなに酒に強いの?と言われて「いや、縢くんが弱すぎ」って返すところとかめちゃくちゃいい

朱ちゃんの友達が結婚してストーリーから消えていくのは尺が足りないのもあるだろうけど、キャリアを選択した女の孤独っぽさも感じた テロ行為を選択してシビュラに裁かれないことを以て社会の“異物”になったところまで含めて

特に何もケアしなくてもメンタル美人で成績もいい朱ちゃんは何を言っても嫌味に思われがちで、それを気にしないゆきと佳織は貴重な友達だったのかな

SSの記憶があやふやだからあれだけど、今の狡噛の生きる目的って何だろう 槙島を殺したあと、そこを埋めるものに出会えたのかな

1期の時、雑誌で監督か誰かが「最近は完璧型主人公も割と受け入れられているから狡噛もそうした」と言ってたんだよね
その完璧型主人公・狡噛と見る側の間を埋めてストーリーの方向性を示していたのが朱だったのに、朱は“魔女”になるし狡噛は“獣”だし、こっちはどの視点から見ればわからなくなっている

PPPは朱がテロ行為に及んだのがダメなのではなく、そのテロ行為を批判する人が不在だったのがダメ
キャラの行為が倫理的に正しくなくてもいいけど、それが倫理的に正しくないことだと物語の外側(=観客)に示さないといけない

「常守の盾になりたい」と言った宜野座にこそ、局長を撃った朱ちゃんを批判してほしかった 好きだからこそ許してはいけない
でもそれができないから宜野座は朱ちゃんの盾になれないんだ

桜霜学園のエピソードを見終わったら美佳ちゃんの人格の変遷した経緯が一切説明がなかったことに再び疑問を覚えてしまう

PPPが見ている側に正義を考えてほしい(=当事者になってほしい)という作りではないかというツイートをいくつか見かけたけど、監督や脚本家がインタビューでそう言ったの?
観客に「正しさとは何か?理想的な社会とは何か?」を考えてほしいなら、アクションシーンを削って近未来の社会体制のシミュレーションに集中するべきでしたね
あんなガバガバな設定や描写で何を考えろと…そもそも観客に問題提起する土俵に立ってない 法が完全に廃止された社会って何ですかね…

こんな大事なことをノナタワーの密室で議論するなんて!と冒頭で憤慨していた朱が民意を置き去りに強硬手段に出たのは皮肉としてはよくできている

青柳監視官のことでずっと負い目を感じている須郷が宜野座に部屋に呼ばれてドキドキしながら向かったら、宜野座が「これはとっておきなんだ」と言いながら征陸の残した酒を出すシーンはないんですか?

縢くんが料理するシーン好きだったんだよね
執行官(潜在犯)は著しく人権を制限されているけど、逆にサイコパスという指標からは解放されているから、自由に料理や酒という生命活動に必須ではない、精神的豊かさを楽しめるというねじれが生じている

おすすめタブ実装により今まで距離を置いていたようなツイートが流れてくるようになって、一人で壁打ちしてた方が精神衛生上いいのではないかと思うたび、己の脳に棲む槙島聖護の幻が「そうやって安易な精神的安寧を求めて君は満足なのかい?」と問いかけてくる

PPPのすごいセンシティブだと思ったネタ 北方領土が日本の領土

宜野座にみんなの前で叱られて腹を立てている朱に「宜野座監視官の父親も潜在犯だったから理解してやってくれ」と他人のふりして教えてあげる征陸さん好き ちゃんと「宜野座監視官」と呼んでいたのに話し終えると気が抜けたのか「伸元」って呼んじゃうところが最高

朱にパラライザーを撃たれて入院している狡噛の枕元に置かれた見舞い品、まさか宜野座…
執行官とは距離を取れと言いながら自分はさあ…

狡噛がパラライザーで撃たれた時の宜野座はどんな気持ちなんだろう 執行官は同じ人間じゃないと言いながら見舞いに行ったと思しき描写があったり、父親にはむきになったり
宜野座が征陸に突っかかっるのは征陸を人間だと思ってるからだよ 口がついてるだけの路傍の石だったらこんなに感情を見せたりしない
朱ちゃんに「執行官を同じ人間だと思うな」と言うのは自分に言い聞かせている風でもある

砺波がストロンスカヤ文書をジェネラルにインストールしたがっていたのはジェネラルの医療向きの機能を無視してその演算能力だけを頼みにしていたと思ってるんだけど、映画何回も見た人的にはどうなんだろう?

もしかしてジェネラルにストロンスカヤ文書をインストールすると、脳内チップの機能を拡張して紛争係数を好きなように調整する能力を手に入れられるとか? ストロンスカヤ文書はあくまで紛争係数の測定をする関数であって実行役は別に必要だろうし
これだとますます虐殺器官っぽさが増すな

集団的サイコパスがほとんどストーリーに生かされず、ストロンスカヤ文書も紛争係数も今後二度と出てこないだろうし、ジェネラルやビフロストも次回作に登場するかちょっと怪しいので、考えるだけ無駄なのかもしれないが
シビュラを出し抜く手段を使い捨てにしてる印象が否めないんだよな~

宜野座がいきなり挨拶もそこそこに「新人扱いはできない」とか言って朱をビビらせたくせにしっかりサポートするし、雑賀先生に会った朱を心配のあまり子ども扱いして叱るし、朱に配慮したい気持ちがあるのに不器用すぎる

宜野座は友達が少なく庇護者に欠ける境遇なのでコミュニケーションが下手なのは自明の理なんだけど、監視官適性が出るくらいには人を思いやる心があるんだよ

2期までは青柳監視官(宜野座の同期)もいたわけだし、たぶん宜野座が「俺はもう監視官じゃないんだが…」とぶつくさ言いながら朱ちゃんと美佳ちゃんに先輩として指導してたよね
青柳もなんか資料に不明点あったら宜野座に言いに来てそう

槙島の事件で出世コースを外れたという青柳監視官が10年監視官を務め上げたらどんなポストに異動するのかとても興味があります

政府高官はみんな義体という設定、昇進したらみんなシビュラシステムの正体を知らされるということかな?
めちゃくちゃ世界統制官じゃん

縢の両親はどんな心境で生きているんだろう 息子がたった5歳で検診に引っかかって潜在犯認定されて施設行きになって、執行官になったと思ったら逃亡という不名誉
自殺しててもおかしくない

人を憎み続けるには多大なエネルギーを必要とするから宜野座もきつい態度をしながら本当は許したがっていたはずなのに、言い訳しないのが誠意だと勘違いしている征陸と来たら…あれはきっと甘えだよ、実の父親には見捨てられることがないという
だから宜野座に「遅すぎる」って泣かれるわけだよ

宜野座がキレるのは全部「謝ってほしい」というサインなのに、怒りを甘んじて受け入れるのが償いだと思っている征陸、経験豊富で人間関係にも敏感で配慮が行き届いているくせに、実の息子相手にはうまくいかない 近すぎて

おぼろげな記憶ですが、2期の宜野座が免罪体質について知っている風だったのはどこで知ったんだ?シビュラの正体は知らないみたいだけど

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