刑事物、探偵物は事件が起きて被害者が出た後でないと動けなくて、だからシビュラシステムと潜在犯という概念はすごいと思ったんだよね
完璧なふりをするシステムの欠陥を埋めるのは人間で、あれは人間の醜さを冷静に見つめながら絶望し見放すのではなく、その先の未来を信じている

フォロワーも増えたので改めて言いますが、わたしは1期や虚淵氏を信奉しているのではなく、物語に一貫性と整合性を求めているだけです
そして視聴者の大半が日本生まれ日本育ちでしょうからあまり実感はないかもしれませんが、3期の移民問題の扱いを許容する日は当分来ないと思います

宜野座は朱の先輩で征陸の息子で狡噛の親友で、潜在犯の息子(社会的地位が非常に低い)だけど潜在犯を取り締まる刑事(社会的地位が非常に高い理想的市民)という込み入った立ち位置だったので、これらが1期でかなりきれいに決着したから次のステップが必要になる
それが朱・霜月の先輩、須郷の先任者、霜月に対する兄や父めいた位置にシフトしているのはよかったんだけど、「朱の盾」だけ浮いている メンタルが強靭で社会的地位の高い朱と今の宜野座の社会的地位の低さでは見合わない台詞
狡噛もまた槙島との対照関係を失って海外逃亡後はふらふらしてて、戻ってきてからは朱とのバディをクローズアップされる
宜野座と狡噛二人の行動原理を朱一人に帰結させたのがアンバランスだったと思う

PPPを見た時はそうでもなかったけど、「朱が神格化されている」という人のツイートを見てなるほど一理あるなあと思った
PPPは法の廃止を防ぎたい朱が最後に自ら法を犯し、守りたかったことを毀損する結末を皮肉として描いていればよかった でも皮肉の成分が欠けていたから「神格化」に見えてしまった

砺波は戦場で心を壊されて日常に戻れなくなって、自分たちの生存のために紛争を必要としているだけだと思うんだよね AIによる統治がどうのはお題目にすぎない
そこを朱もしくはストーリーが指摘するべきだった

「おすすめ」はその人の好きなもの、興味のあるものに最適化されたコンテンツを並べるシステムなのに、ツイッターのおすすめは精度が低すぎて相容れない人のツイートを表示するので、槙島が侮蔑した「小さな独房で安らぎに飼い慣らされる」どころか積極的に独房を壊しにきている
お前はそれでいいのか

PPPの特典イラストにひとつ聞きたい 執行官に降格処分になった宜野座と征陸を並べたのはどういう気持ちなの?

宜野座が執行官になったのを征陸が見たらまあ普通に悲しむと思うけど、「今までよく頑張ったな」と肩を叩いて抱きしめてやるかもしれないし、「血は争えないな」とでも言うのかもしれない
煉獄に父子そろって来てしまったと苦笑いするかもしれない

ずっと朱ちゃんをストーリーの窓口にして狡噛を見てきたので、語り部としての朱ちゃんが消えた今、狡噛のことがさっぱりわからない もしかしたら狡噛もわかってないのかもしれない

シビュラは神託の巫女で、ジェネラルは将軍、ビフロストは神々の住まう地へ渡るための橋なので、ジェネラルもビフロストも取り込んでデバックしたシビュラは「神を喰らおうとする巫女」になりつつあるのでは?
そこもっと突き詰めてほしいのに、新しい要素を出したと思ったらよくわかんないまま使い捨てられるのはもったいない
3期もコングレスマンという名称から議会制の暗喩か?!とか思ってたのに全然関係なかった
政治の話をするんだと思ってたらぜーんぜんしてくれなかったの、残念すぎる 待ってたのに

灼が「ドミネーターには引き金がついているから好き」と言った先を見たいんだよ お前の考える理想の社会を見せてくれ

All alone with youの「罪を背負ったのは誰か」はいろいろと解釈できるけど、改めて聞くと1期後半は狡噛の罪を宜野座が背負ったように感じる
本来なら監視官が穢れないように執行官がいるのに、狡噛と宜野座はいつしか逆転して執行官の“罪”を監視官が背負って“汚れた”

体制に疑問を抱く常守朱のカウンターとして置かれる理想的市民の位置に1期では宜野座、2期では霜月がいたけど、宜野座にはとりなしてくれる征陸や狡噛がいたのに霜月にはいなくて、憎まれ役として演出が過剰だったように思う

潜在犯が矯正センター送りになるのも刑法で規定されていると思うんだけど、法を廃止したら潜在犯という枠組みは消滅しないんだろうか
シビュラシステムは犯罪係数を測定するのであって、測定された数値に意味をつけるのは人間および法律の役割じゃないのか?

吉上亮のスピンオフ小説はどれもおもしろかったが、チェグソンの妹のやつは、あ、この作者は女体の知識がないな…でいきなり目が醒めた
乳首の周りに生える毛は眉や手足の毛と同じで一定以上の長さにはならないので、ぼうぼうという表現は違うのでは?と思った

縢が一体何の罪を犯しうるのか、という話をしてほしい
ストーカー男が女性に危害を加える前に捕まったのはユートピアの側面だけど、引き換えに何を根拠としているのかわからないまま潜在犯認定される人がいて、楽園を保つためのコストを本当に認めていいのか?という話

エリアストレス警報と集団的サイコパスって何が違うんだろう…色相と犯罪係数の違いみたいなもの?

いくら痩せているとはいえ、身長183センチ体重60キロの宜野座のコートの襟を掴んで吊り上げられる征陸の腕力…
あそこのびっくりした顔をする宜野座、本当にびっくりしたんだろうな、征陸の父親としての姿に

狡噛を発見次第ドミネーターで撃てという宜野座、執行官になってでも狡噛に好きに生きていてほしい気持ちと逃亡を図るような奴に成り下がった姿は見たくない気持ちもあるのかな

朱に八つ当たりする宜野座には何回でも笑う
狡噛から通信が入った途端に「ありったけのドローンを急行させろ!」ってさっき自分が言ったことも忘れてる 狡噛の焦った声を疑いもしない
狡噛が逃亡を図ったけど逃げきれそうにないから敵がいるふりをして救援を要請したという可能性を考慮する余裕がない

狡噛の執行官適性が出た時、宜野座はたぶん喜んだし悲しんだよね
帰ってきた狡噛が知らない人の顔をして、宜野座のことも自分自身すら顧みないことを

実は監視官を10年勤め上げた人はほとんどいないという設定じゃないだろうなと1期の時からうっすら疑ってる
宜野座は潜在犯の子どもであっても採用されるという、シビュラシステムによる公平さのアピール込みだったりして…

シビュラは適性診断を出すだけで採用を決めるのは人間だよね 六合塚の例を見ると断る権利もあるし
自分で見極めようとせず、シビュラ判定の上から順番に採っていくから、人間が最終的に判断するという安全装置が事実上無効化されているってことか

人が自らの意思で決断してこそ人間だと言う槙島、多くの人が弱くて決断が苦手で、肉体の保全が図れるなら他者に委ねても構わないと考えもしないあたりが高知能のサイコパス
自分とは違う人の気持ちを理解できない、共感する能力に欠けた異物なんだよね でも自分がおかしいことだけはわかってる

1期13話で槙島にドミネーターが効かなかったことを局長に報告したら教えてもらってた つまり真っ先に宜野座が免罪体質者のことを知らされているな

藤間のことを宜野座に教えてあげるシーンの局長の義体に入ってるの、藤間の脳みそじゃん

1期13話で免罪体質者のことが初めて宜野座および視聴者に明かされ、完璧なシステムが完璧さを装っているだけであること、その欠陥を埋めるのは人間であることが強調されている ここの構成は本当によくできている
刑事がドミネーターの審判の安全装置であるのと同様に、システムの安全装置が免罪体質者

征陸が昔は朱みたいに正義に燃える刑事だったことを懐かしむシーンで宜野座が少し微笑んでいるところを見ると、うわー!!!ってなる
父親のこと尊敬してたんだよね でなければ監視官を選ばない

局長と宜野座の官僚的言い回し好き
遠回しにドミネーターが機能しなかったことを伏せて報告書の偽造を指示して、部下たちが納得できる嘘をつけと暗に強制していてひどいやり取りだ

モンタージュの件からだんだん朱を心配するそぶりを隠さなくなる宜野座 心配性な本性が出ているし心を許し始めている

六合塚の勧誘を狡噛に任せて「俺より要領がいいから」と微笑んで自分より優れていることをてらいもなく認める宜野座、狡噛への嫉妬心が皆無なあたりが監視官適性なんだよなと思った

12話の六合塚の過去編、めちゃくちゃ社会体制に関する情報がつまってた
「議会も議員もいるけど官僚はシビュラが選ぶから民主主義なんか嘘」ということは、シビュラは形式的には推奨に留まるということだけど、シビュラシステムによる適性診断が事実上、公務員試験の一部に等しいわけか

1期の人間関係のハブになっているのは宜野座だなと思ってましたが、これは一昔前ならヒロインの役割だったんですよね そりゃあ制作側からもヒロインって言われる

おすすめタブにうっかり開いてしまった相容れない価値観の人のツイートが表示されるの勘弁して 朱ちゃんのAIセクレタリには推測回路の削除機能があったのになんでツイッターにはないの?

今見返している最中だけど 、PP1期の優れた点は話を現場の刑事たちと人の意思、自己決定権に絞ってメインテーマをやりきったこと、欠点はそれ以外の描写を抜いたせいで、犯罪にまつわる事柄以外がどうなってるかはよくわからないこと
そのあたりも含めて未来のふりをした現在だと思って見ていた
社会が安定しているから少子化は改善しつつあると思っているんだけど言及が一切ないし、象徴天皇制も不明
家族観、ジェンダー観は今と同じかむしろもっと古い部分もある
さすがに裁判制度の全廃はやりすぎだろ…と思う
「日本だけが鎖国体制の下、唯一繁栄している」で海外の話をばっさり切り捨てたのは潔かった そのせいで海外の話を持ち出されると「英語の授業はあったんですか?」と戸惑う
たぶんエリートだけ受ける授業があって、準日本人が教えていると思うことにしてるけどね

PPはディストピア物としてはよくできているけど、Science fiction要素(サイマティックスキャン技術およびシビュラシステム)はあくまでディストピアを成立させるための舞台装置として設定されているので、そもそもSFとして売ってないと思ってた
まあディストピア物もSFと言われればそれまでだけど

六合塚を迎えに行ったのも縢を迎えに行ったもの宜野座で、たぶん狡噛を迎えに行ったのも、征陸だけが先輩なんだ

13話を改めて見て、常に気を張って肉親も友達もいないに等しい宜野座がカウンセラーだけを蜘蛛の糸みたいにしていたのに、これ2期でカムイの同級生って設定を加える必要があったのかは何度も考える

13話見てたら宜野座がカウンセリングで犯罪係数80くらいなのが明らかになったシーンで横から「あ〜宜野座もうダメだ〜」って言われてめちゃくちゃ笑った
FIまで見ておいて何を言うか

1話で朱に狡噛と征陸を組ませたシーン、最初は「新人にベテランをくっつけて視聴者への世界観の説明をやるんだな」と感心し、三人の関係が明らかになった後は「気まずい奴を朱ちゃんに押し付けたのか!?」と思い、10年越しに今見ると「信頼の厚い二人をつけるなんて優しいな、もっと素直になれよ」

2期の宜野座は劇場版と人格がいまいち繋がってないからいまだに納得してないんですけど、それはそれとして美佳ちゃんと「思春期の娘と父親」みたいなポジションにいたのは征陸のかつての振る舞いを真似しているかのようでもあって好き

狡噛が母子家庭だったのは設定集で明らかになったけど、宜野座と違ってストーリーに影響しないということは、作中だと母子家庭への支援も手厚いんだろうな
と思うのと同時に、狡噛が幼い頃から優秀なのをシビュラが定期診断で判定していて援助していたのでもいいよねとも思う

宜野座は飲酒の習慣は身につけなかったみたいで征陸の酒は残していったけど、征陸の部屋から遺品を厳選して外務省の宿舎かどこかへ持っていっただろうか、今の部屋には征陸の絵がかけられていたりするんだろうか

PPPで北方領土って電気まだ生きてたんだ…と思ったんだけど、むしろ大陸が情勢不安定ならロシア人が離島に逃げて過密で貧しい生活をして、そこから抜け出したい人たちが日本への亡命を企てては無人フリゲート艦に沈められていてもおかしくないような
GENESIS3、4巻の主人公、滄もロシア極東地域からの難民だったし

今見ると、シビュラシステムの欠点は適性診断にとどまっているところなのかも たとえば理系に興味のある女の子に理系の職業への適性診断を下すけど、理系の女子を増やそう!とはならない
朱ちゃんの世代が最も繁栄していて、次の世代は閉塞しているのかも 頂点に達したら後は落ちるだけという
宜野座が混乱と偏見の根強い黎明期で、朱ちゃんがシビュラの恩恵を生まれた時から享受している
その次の世代にするには灼と炯はちょっと朱と歳が近すぎると思うな 美佳ちゃんと同じくらいじゃなかったっけ

シビュラシステムの適性診断はきわめて精確で間違いがないとしても、適性のほとんどいないような職業はないのかな?
ドローンがあるからいわゆる3Kみたいな職は機械に代替されてるのかな

今でも3期は20年くらい飛ばしてキャラ総入れ替えしてシビュラと対決してほしかったと思うよ それなら移民が出てくるのも唐突感が少ないし、灼がシビュラの正体を見ても縢の意義は失われないし、免罪体質者を判定するテストも開発期間がある
下手に1期のキャラがいるから1期と比較せざるを得ない

メンタルトレースはサイマティックスキャン技術のメタファーと解釈したから別に忌避感はないけど、あれのせいで刑事物要素、推理パートが激減したから複雑な気持ちではある

PPをシリーズ化するならキャラをそれぞれ入れ替えて展開してほしかったな テーマを変えるなら尚更
基本となる世界観だけ統一して、社会のどこかですれ違っているけど互いに認識していないキャラクターたちでの群像劇にできるし
1期が群像劇的にキャラを描写してたんだからこの路線も悪くないと思う
つまりVV方式

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

inserted by FC2 system